ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「モネ 連作の情景」展(上野) レポ

三が日だからと侮ってはいけない、混んでいたしその理由もよくわかる展示でした。

モネ展会場入り口

まずは概要から。2024年1月28日まで東京・上野公園内にある「上野の森美術館」にて開催中の展覧会です。このあと2月10日からは、大阪にある大阪中之島美術館に巡回する予定です。東京会場の開館時間は9時から17時ですが、金・土・祝日は19時まで、日曜は18時まで開いているそうです。しかし、なんと1月12日からは通常の開館時間が9時から18時開館に延長されるうえ、金・土は20時までと頑張ってくれるみたいなので、仕事終わりに駆けこめます。時指定予約制。当日券もあるそうですが、ほぼ瞬殺で消えます。チケットは一般で平日2800円とお高めですが、その理由はのちほど。

純度100%のモネ回顧展

なんと、この会場に展示されている作品はすべて「クロード・モネの手によるもの」。世界各国に散らばった、初期から晩年までのモネの作品が一堂に会するという奇跡のような展示なのです。モネのファンは卒倒するかもしれない。今年でモネが画業を始めてから150年という記念すべきタイミングとのことで、企画展示を担当された方の気合の入り方が窺えます。「印象派」というジャンルの祖とも言える人物(※モネの作品に《日の出》というのがありますが、あれを酷評した評論家に対して「印象で描いた」と言ったのがモネで、そこからきているらしいです)の、まさにまじりっけなしの一生涯を追体験できる素敵な展示となっていました。

モネ発・連作

皆様はモネの作品に《積みわら》というのがあるのをご存知でしょうか。あれは同じ積みわらの風景を、時間帯によって色彩や影の雰囲気が変わっていく様子がわかるように描いたものです。もしかしたら美術の教科書などに載っているかもしれません。それを人生で初めて目にした私は、感動のあまりうるっときてしまいました。本当に、キャンバスを光に包まれた屋外に置いて、この時間を切り取るんだと必死に筆を動かすモネの姿が想起されて、とても感動したのです。そこまでモネを突き動かしたのはきっと、「色彩の変化」だと思いました。同じテーマや風景について描く「連作」というものを生み出したモネは、きっと可視光線の織りなす色の変化やきらめきに心を掴まれたのではないかと、勝手に想像しています。そうじゃなければあれだけ多彩な(文字通り「多彩」です)作品を生み出すことはできないのではないかとも考えてしまいました。究めることをやめなかったモネの人生をうつしだすような《睡蓮》の作品もお写真OKエリアにありますので、ぜひ。

ロンドンの風景を描いた作品