ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「アンリ・マティス」展(上野) レポ

フォーヴィズムの先駆者、ここにあり。

まずは概要から。上野の東京都美術館で8月20日まで開催中。9:30~17:30が開館時間ですが、金曜日だけは20時まで開館しています。都内はコンクリートジャングルなので涼しい夜間に行くのもおすすめ。毎週月曜休館ですが、7月17日と8月14日は開館するそうです。7月18日は休館なのでお気を付けて! 事前予約制。当日券はほぼ無いです。今回は高校生以下向けのジュニアガイド(ダウンロード版)もあるので、美術館に家族でお出かけするのもいいですね。

フォーヴィズムと色彩と人生と

84歳で生涯を閉じるまで、意欲的に創作を続けたアンリ・マティス。新印象派の絵も描いていたのにびっくりしましたし、彫刻も切り絵もやったというから天才なんだということがよくわかりました。それだけ芸術に心を捧げたのだということでもあり……私も彼のことをめちゃくちゃリスペクトして……いや、それ以上の畏怖の念を抱きました。彼の芸術は、迷いの中で生まれた「芸術とは何か」という問題に対する執着でもあるから。

フォーヴィズム(野性的な絵画)を描くだけでなく、繊細なスケッチも遺し、苦しみながら作品を生み出し続けるその制作の姿勢に、常人離れしたものを感じました。もちろん芸術家は、「芸術とは何か」という答えのない問いに常にさらされ続け、そこに自分なりの回答を出して、それが後世で評価されることがあって今に名が残っているのだと思うのですが、マティスの場合「悩んでいる時間」が長かった。だから新印象派も描いたし彫刻もやったし切り絵もやった。いろんなところへ旅した。フォーヴィズムという新しい流れを生み、それでもなお苦悩した。そして「苦悩の果てにたどり着いたのが教会の装飾」というところが鳥肌ものだったのですよね。もう英霊として呼ばれてくれ。

お写真OKだった展示物

こんな色彩と形を残せるのが、やっぱり彼の貫いた魅力なので、苦悩した道は間違っていないと死後思ってくれていたらうれしいですね。面白いのでぜひー!