ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「ゴッホと静物画 伝統から革新へ」(新宿) レポ

元気がないときにオススメ。

まずは概要から。2024年1月21日まで、東京・新宿のSOMPO美術館にて開催されています。新宿西口からモード学園コクーンタワーを目指せば10分しないで到着します。日時指定予約制のため、「アソビュー!」等でチケットを事前に確保しておくことをオススメします。めちゃくちゃ混んでいました。たぶんクリスマスシーズン、大盛況なのではないでしょうか……あの狭い館内で大丈夫なのか? 月曜休館ですが、1月8日は開館。12月28日~1月3日の年末年始もお休みだそうです。10時から18時まで開館していて、12月8日はなんと20時まで開館とのこと……行くなら今がチャンス! 音声ガイドは声優・福山潤さんがご担当されています。ファン大歓喜。写真は一部を除いてOKです、拡散も個人利用に限りOK! どんどんSNSで発信しちゃいましょう。まじめに、映えます。

静物画に特化した展示

どこを見渡しても「静物画しかない」展示。かなり攻めていて良かったです。SOMPO美術館はビルなので、トーハクやNACTのように広くないのですが、3会場に分けて結構な数の作品を展示し、しかも有名画家であるラトゥールやルノワールセザンヌなどの「マイナー作品」にあえて焦点を当てたところも、意欲的だと感じました。毎回思うのですが、SOMPO美術館のスタッフの方(企画を考える方)は、「王道じゃない展示」でその真価を発揮するのですよね……素敵な職人技です。そんな「静物画だけに囲まれる」という経験が初めてだったので、私自身も新鮮でした。それぞれの時代、地域の画家たちが描いた花・果物・魚など、「命なきもの」に「命を吹き込んでいく」作業が静物画を描くことなのかな、と思うなど。特に顕著なのは、髑髏を中心に描いた《ヴァニタス》という作品群です。「メメント・モリ(死を想え)」という警句を踏襲した画題、タイトルはラテン語で「空虚」。ここまで生命を喪うこと、死を想定した作品なのに明るい画面だったのです。それをゴッホは《髑髏》という作品に落とし込みますが、そのメッセージはきっと、生命は常に死と隣り合わせなのだけれども、その対称性と分かちがたさを表したものだったのでしょう。短い生涯のなかで850作品も描き上げたゴッホの死生観に触れられた気がしました。

花!

私はラトゥールもルノワールも大好きなのですが、やっぱり花を描くにしても画家それぞれのタッチ、筆さばき、重点の置き方が全然違って面白かったです。めちゃくちゃ写真を撮ったので、まずは見てもらえれば……あわよくば展示に行ってもらえればと……。

花の絵だけでここまで違う

今回の目玉作品である《ひまわり》と《アイリス》は息をのむという間も惜しかった。そのくらい生命感にあふれた作品でした。やっぱり「黄色」はゴッホのなかで特別な意味があったのかな……。

ゴッホの《ひまわり》

疲れを癒してくれる展示だったので、皆様ぜひー!