ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり⑨ 印象派(丸の内エリア)

身体がバキバキですが、明日も原稿地獄なので今日のうちに書ききっておかないと。というわけで「印象派――光の系譜」展と「印象派――画家の友情物語」展について書いていきます。

まずは概要から。

「光の系譜」(三菱一号館美術館)2022年1月16日まで。10~18時開館、月曜日休館。12月31日・1月1日も臨時休館。前売り券は一般のみwebketで取り扱いあり。

「友情物語」(アーティゾン美術館)2022年1月10日まで。10~18時開館、月曜日休館。12月28日~1月3日も臨時休館。1月10日は開館。事前予約制。

光の系譜に込められた意図

今回エルサレムにある「イスラエル美術館」から作品が来日したのですが、日本初上陸の絵画が多数あるということもあって会場は大盛況でした。シックでレトロな内装の広々した会場の中で、ゆったり鑑賞してきました。お写真OKエリアもあり、うれしかったです。

モネ、ルノワールシスレーカミーユ・コロー……枚挙にいとまがない印象派の画家たちは、それぞれ影響を与え合いながら画業にいそしみました。最初は雲や波を描くのにぼやっとした色彩として置いていた、より写実に近づきたいと使っていただけの絵の具のかたまりが、戸外の光をそのまま写し取るための強い武器になりました。チューブ絵の具や旅行のブームがあって、画家たちは光あふれる屋外の景色を活写するために苦心し、その活動が最高潮に達した瞬間が、クロード・モネの《印象・日の出》が出品された瞬間だったと考えています。油彩の良いところをすごく感じる展示でしたし、何より各画家の感触が違うことに気付けます。セザンヌの硬い感じ、ルノワールのやわらかさ、ゴーガンの丸み、ドビーニーの鋭さ、ユリィの瞬き……お気に入りの筆触を探してみるのも鑑賞の楽しみです。新しくレッサー・ユリィという推しを見つけた私は、もう印象派のことを追いかけ続けるしかないのですね……! エウレカ!

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三菱一号館美術館だ~いすき

友情と高めあい

ゴッホとゴーガンのように有名な例もありますが、片方の友人が手紙を焼き捨ててしまっていたり、家族が印象派を良く思っていなかったりしてなかなか「純粋な友情」をはぐくみづらい環境だったようです。ライバルであり、友人であり……高めあうことを楽しめるタイプじゃないと気詰まりしそうな画壇に、ゴッホちゃんの重たさを受け止めきれる人はいないよ……などと思っていました。ベルト・モリゾやマリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレス、メアリー・カサットなどの女性画家も活躍した印象派にはかなり好感を抱いていますが、印象派の始祖ともいえるマネに関係したのが女性画家たちだったと知って、さらにこの印象派~ポスト印象派までの時代の流れが好きになりました。お互いに影響を受け合って、一緒に作品を出して、ってきっと今で言うコスプレイヤーさんの合わせ(同じ作品の関係あるキャラのコスプレをして、集合写真を撮ること)だとかデザフェスのような感じなのではないかと思うようになりました。面白いよ、そりゃ。お祭りだもん。関係性、という側面から印象派のことを深掘りするのも面白かったです。

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アーティゾンと迷子になった形跡