ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「テート美術館展 光」(六本木) レポ

光を追いかけて、現代まで。

概要

2023年10月2日まで、六本木の国立新美術館にて開催。
付近のカフェではウェッジウッドの器でケーキセットが食べられたり、アフタヌーンティー(2名分)が用意されていたりします。美味しかった。
2023年10月26日からは大阪中之島美術館に巡回するそうです、関西地方の方もぜひ!
国立新美術館は毎週火曜休館、10時から18時まで開館(毎週金曜・土曜は20時までやっています)。
まだ当日券が取れるので、お盆を避けて行ける方はすぐにでも行くべし!

入り口の様子

光を描くということ

画面上で光を描く。
ただこの一点にのみ焦点を当て、17~18世紀の美術から現代アートまでを網羅した展覧会でした。
啓蒙思想が台頭した17~18世紀のロマン主義の絵画では、はっきりした光、神の威光を示す光を描いてきました。
精神世界に向いた光は、だんだん自然を描くための装置となり、そしてイギリスの画家・ターナーによって「遠近図法(透視図法)」に昇華されていきます。
遠近図法についてターナー自身が描いた「光がどこに当たり、どこが影になり、その結果どのような遠近感が出るか」という大学講義用のスケッチは圧巻でした。
私は中学生の時にりんごのスケッチをしたときと、大学時代に図工教育法の授業でスケッチをしたときの2回にわたって「絶望的に画力が無い」と思い知り、絵を描くことを諦めてしまったのですが、ターナー先生に習っていたら才能が開花していた可能性がある……かも⁉
もちろんクロード・モネアルフレッド・シスレーといった印象派の画家の絵もありますし、現代美術だとゲルハルト・リヒターに再会することもできました。
草間彌生の作品も(写真NGでしたが)ありました。
なんとも不思議な作品で、鏡を使ったものだったのですが、水玉カボチャじゃない草間彌生の一面を見られるのはここだけかもしれない。
写真作品も多く展示されており、私もカメラの腕を上げるためのヒントとしたいと思いました。
長時間露光ってなに⁉ 私のカメラでもできる⁉

お気に入り作品

一番印象に残ったもの

いちばんはハマスホイの室内画。
女性の後ろ姿を描いているのですが、フランスでは生まれ得なかった光、地域によって目視できる光の質感の違いに衝撃を受けました。
私が印象派に惹かれる理由は、その空気感、透明度、光の質感にあるのだと思っていたのですが、デンマークの光の質感と、日本画を鑑賞した経験とが組み合わさって、私の中で「光の感じ方はひとつじゃない」という結論を導き出してくれました。
その意味でいちばんはハマスホイかな……。

ハマスホイ《室内》

あとはこれ。きらきら。宇宙の果てにはきっとこういうのがある。
インスタレーション作品も見ていて飽きないです。

《星くずの素粒子

10月2日までは東京でやっているので、ぜひ!