ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり③ ゴッホ展

いっけな~い! 仕事仕事! というわけで今日も粛々と美術館のレポです。

まずは概要から。12月12日まで東京都美術館にて開催。日時指定予約制です。行った時もめちゃくちゃ混んでいたので、余裕をもってお買い求めください。月曜休館。

この展覧会はゴッホの作品を収集した「ヘレーネ・クレラー=ミュラー」という女性が関わっています。彼女はゴッホが評価されていない時期からゴッホの作品を集め、最終的には美術館まで設立するほどの行動力を見せました。主な収集作品は《レストランの内部》《種まく人》そして今回の目玉作品二大巨頭のうちのひとつ《夜のプロヴァンスの田舎道》です。ゴッホの素描から油彩まで、あらゆる作品が一堂に会するという、豪華絢爛な展示となっておりました。

もうひとつ、目玉作品がありまして、ヴァン・ゴッホ美術館からの《黄色い家(通り)》も来日しております。10年以上ぶりなので、私は初めてのご対面でしたが、ゴッホの色彩に魅了された感覚が画面を通して伝わってくるので、大変よい経験をさせてもらったと思っています。

今回の作品群は「糸杉」を題材にしたものが多く、ゴッホの筆づかいが遺憾なく発揮されております。幻想的な夜の風景も、昼の温かな陽の光も、すべてを愛して画面に表現したその才能が、あまりにも時代を先取りしすぎていたことだけが、すべての悲劇の発端かなと……素描にも力を入れ、それで不和になった友人もいたのに、画業を続けていくゴッホは「愛が重いタイプ」だと感じました。あれはかなり相手に入れ込むやつだ。仄暗い自分の精神や、その身に背負った悲しみを、微塵も感じさせずに絵を描き続けるというのもすごいなと思いました。絵を描くことがどれだけゴッホの心を癒したか、救いになったか。それがよくわかる展示でもありました。メランコリックな精神を抱えた画家は、誰にも理解されなかったけれど、絵画だけは彼を見捨てなかったところに何か運命的なものを感じました。

ヘレーネも、美術館創設・初代館長就任の翌年に亡くなっていて、作品を集めてやることをやった、ということなのかなと思うなど。彼女の功績もすごく大きいので、そちらにも注目してくださいね。それでは、また。

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ゴッホ