意外と広かった。初めて行ったのです、SOMPO美術館。
まずは概要から。10月10日まで開催、開館時間は10時から18時。休館日は月曜日ですが、9月19日と10月10日は開館するそうです。駅から近いのも便利。電子チケット「アソビュー!」で事前予約すると安いらしい。8月5日、8月26日、9月16日には学芸員さんのスライドトークが開催されるそうなので、狙って行くのもありですね。
印象派からフォーヴィズムへ
光をとらえるために、色彩を分割して画面に置いた描画法の先駆的な存在である印象派から、画面の分割に至ったキュビズムまで、西洋絵画史の一連の流れを俯瞰できる貴重な展覧会でした。パンチのある大きな看板作品こそないものの、ひとつひとつが主役級の精鋭で挑んだ、という印象。ポン=タヴァン派というゴーギャンとその周辺の画家の作品群を鑑賞できたのは今回が初です。こうしてフィーチャーされることじたいも少ないですが、十分心に残る作品がありました。個人的な推しはジョルジュ・ボッティーニの《バーで待つサラ・ベルナールの肖像》と《フォリー・ベルジェールのバー・カウンター》です。サラ・ベルナールといえば私の最推しであるミュシャを人気画家にしたきっかけの人。そんな人の生きていた頃の姿を、肖像画という形で拝めて、ひどく感動してしまいました。ありがとうサラ・ベルナール。そしてフォリー・ベルジェールといえば「コート―ルド美術館」に収蔵されているアレです。大きな鏡と、女主人の絵! 自分の見てきた様々な作品が繋がってくる感覚があって、言い知れぬ歓喜に心が震えました。
藤田嗣治に惹かれる
ペンでさっと描かれただけの作品で、ここまで感動するのか……と思ったのは藤田嗣治の「ねこ」。かわいい。ふわふわした毛並みがかわいい。くりくりのおめめ、まあるいあんよ……ねこちゃんカワイイ!! という個人的な興奮が(※そしておそらく、藤田嗣治自身のねこちゃんカワイイ!! という気持ちが)抑えられない1枚が、まさかSOMPO美術館の収蔵品で、運が良ければまた都内で見られるというご縁にただただ感謝しています。すごく良かった。あれは石油王になったら複製画を買いそう。
なんというか、美術史の一連の流れをおさえつつ、画家同士の関連性も知りつつ……としていけると、どんどん知識が広がって鑑賞が楽しくなるのですよね。そういうテキスタイル(織物)としての歴史を知っていけたら最高じゃない? と思うのでした。