ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

フェルメール展(上野) レポ

美術の力をひしひしと感じます。

まずは概要から。東京都美術館にて4月3日まで、開館時間は9:30~17:30ですが金曜は20時まで開館しているそうです。当日券も15時にはすべて売り切れるほどの人気ぶりですので、事前予約で向かうことをお勧めします。会期終盤なのでより混みそうです……

フェルメール《窓辺で手紙を読む女》

1979年の時点で後方の壁にキューピッドの絵が描かれていたのを塗りつぶしていることがわかっていたのですが、修復作業の途中で「フェルメール以外の誰かが塗った」ということが判明し、修復プロジェクトが2021年に終わりました。それが今回日本に来ている、ということで会場は大盛況でした。もちろんオランダの美術がメインテーマですが、ワンフロアの半分以上を割いて《窓辺で手紙を読む女》について詳しく解説してくれていました。修復作業は細心の注意を払って行われるので、難しかっただろうとは思いますが、こうしてもとの姿に戻ったのは嬉しいことですね。

この作品を目の前にして、私は「一筋の光がここまで鮮烈に描けるのか」という衝撃でしばらく呆然と立ち尽くしていました。女性の顔にかかる光が、こんなにも美しいなんて。印象派の画家ですら描けない、鋭いのに包み込むような光があるのか。非常に感動しましたし、これがフェルメールのファンになる人が多い理由なのだろうと思いました。

静物画と風俗画と寓意

17世紀オランダの絵画は「寓意」を持たせることに非常に関心があったようで、ただ美しく描く、完璧に描くだけでなく「意味」を内包させていた、というところに強く惹かれました。ただ美しいだけの絵画にあまり価値を見出さない精神性は、当時の西欧でメインだった考え方からしても異端で面白いし、そういう姿勢が個人的には好ましいという理由で惹かれたのですが、各画家の確かな筆致と繊細な技に酔いしれながら見て回ると、いろいろな解釈ができる絵画に行きあたって、ゆっくりじっくり時間をかけて考えてみたいと思いました(でも90分くらいで出ないと後の時間に予約した人たちが詰まっちゃうんですよね……悔しい)。館内はお写真NGでしたが、心のシャッターを切りまくったので後悔はないです。

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表の看板