ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり⑤ 甘美なるフランス(Bunkamura)

書き忘れていた。急いでまとめます。

まずは概要から。11月23日まで開催、10時から18時まで開館。事前予約制です。たまーに平日に行くと当日券が売っています。そちらを狙うのもありかもしれない。10月26日は休館日ですのでご注意を。

私は高校時代に卒業旅行で箱根に遊びに行ったのですが、ラブなマイフレンドと一緒に探検したのが、この展覧会の作品たちを出している「ポーラ美術館」です。箱根の奥地にあるので、車が無いとアクセスが非常に大変なのですよね。私が中学生の頃にルノワールの絵画を模写したのをきっかけに、ここへ行きたいと言って一緒に観に行きました。

あの頃はまだよくわかっていなかったし、知識も無かったけれど、ルノワールの少女像に強く衝撃を受けました。何というか、天啓じみたものを。私はこの画家についていくのだ、この画家の絵は死ぬまでに何度でも、どこへでも見に行かなければならない――そんな宿命を背負ったのです。なぜ美術に惹かれたのがお絵描き好きなマイフレンドでなく私だったのか、それが何を意味しているのか、それは死ぬまでわからないでしょう。しかしその衝撃的な芸術体験が、私の精神疾患を和らげる一助となり、今では「人間とは話ができないけれど美術館には行ける」という意味不明な状態になったら回復が近い、みたいな指標にもなっているくらいです。

絵画や彫刻、音楽、文学などの芸術分野の作品群とは不思議なもので、知識があるとより楽しめるのですが、知識がない状態でも十分に楽しめます。印象批評というものも存在しますし、それこそ印象派だけに応用してみるのもいいのかも? と思ったりします。自分がその絵に対してどう思ったか、どこが好きか、それをどんどん純化していけばよいのです。それが本来の楽しみ方です。そして足を取られたら最後、沼の底まで引きずり込まれるのですよね……。

お写真NGでしたが、今回の作品群も非常に幅広く、かつ小ぢんまりした中にメジャーからマイナーまで取り揃えた「ポーラ美術館の良さ」が詰まっていました。ルノワールもモネも、シャガールピカソも、煌めく調度品と競い合うように美しさを誇っています。個人的には風景画はモネ、人物画はルノワール、と思っていましたが、ポスト印象派の点描(スーラが有名ですね)も好きだな、と私自身の感じ方にも変化が生まれていました。あの日は二人きりのような美術館だったけれど、今日は大勢の人が来ている。その様子を見て、私はあの日を思い出し、そして前を向く元気をもらったのでした。

楽しかったです。皆様ぜひ。

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