ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

定期連載 教育現場から 23 文学批評の話

文学批評など大学で専門的に学んだわけではないですが、これが必要だと思うのです。ごきげんよう、桃ちゃんです。

文学批評って何さ

数年前のPISAテストの結果を受け、現在日本の教育界では思考・判断・表現の能力を上げることを目指しています。その方向性は別に間違っていないとは思います。そのなかに「批判的思考力育成」が掲げられており、いろいろな人があれこれ言っています。この能力は平たく言えば「情報を鵜呑みにしない」力です。多角的に物事を見て判断すること、とでも言えばいいのでしょうか。その能力が欠けていると、簡単にメディアに踊らされたりするので、メディアリテラシーと共に教えるべきだと私も思っています。そのための活動として位置付けるのが「批評」の活動です。批評、というのはそもそも価値を発見するものなので、文学作品にとどまらず様々な文章(韻文も含む)の良さを見つけたり、型にはまった考え方を一度根底から崩して再考したりすることを主眼に置きます。私は大学時代に好きな教授の授業で批評について手ほどきを受け、実践してみたいと思っていましたし、1年目からずっと実践している「歌詞分析」などもこれにあたるので、体系だった指導法を自分なりに編み出してみたいと思ったのです。

桃ちゃんの作戦

3年間教えてみて、気付いたのは「理論を押し付けても何の役にも立たない」ということでした。誰もが文学者や作家になるわけではないので、理論の紹介をしたところで意味がない。そしてつまらない。だから一番いいのは「様々な文学批評の理論を、それと気付かれないように示す」ことだったのです。気付くのがやや遅れましたが、生徒に「批評ってこんなものだよ」とアウトラインだけ示して、活動の中で生徒が迷わないように「てびき」になる視点を教える、そして最終的にその視点を別の作品や現実の事象に当てはめて考えられるようにリフレクション活動でフィードバックを実施する。これが今のところの私の最適解です。発問集は「お役立ち資料」の中に入れておきます。そして以下に私のメモ的な写真を貼り付けておきます。また何かの機会に話すことができればいいし、何より実践したい。ああ、教えたい。まだまだ桃ちゃんの苦悩は続きます。実践したらまた報告しますね。理想だけ置いておくのが今日の目標。というわけで今回はこれでおしまいです。

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構想