ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり④ イスラーム王朝とムスリムの世界展

さてはこの地域の人々、デコるの大好きだろ。そんなことを思っていました。

まずは概要から。7月からなんと来年の2月20日まで、東京国立博物館の東洋館12室・13室にて開催されます。祝日は無料開放日になるので、私はピクニックがてら鑑賞しに行きました。小ぢんまりとした展示ですが、煌びやかな作品が山ほどあるので(確かお写真はNG)、行く価値は高いです。教養も深まるし、世界史を勉強し直したくなりました。というかこの方面に詳しい方とご一緒したかった。

統治には言語や地図、宗教(思想)などの統一が必要だと言われています。そのすべてを軽々やってのけたイスラーム王朝の動乱がしっかりと解説されていて、しかもインドネシアのあたりの宗教事情も展示されていました。さすがトーハク、力の入れ方が違う。

さて、なぜ私が冒頭のような感想を抱いたか。展示されている作品だけを見た限りで、他にも実用的なものもあったのでしょうが、剣の装飾がすごい。もう実用性無視レベル。火縄銃すらデコる。女子高生か。いや、その装飾はおそらく王朝の安定、権力の誇示、儀礼用など様々な理由があってそうなったのでしょう。それにしても日本のあの侘び寂びの精神からは想像もつかないくらいのデコレーションぶりでして……いやはや、贅沢って言葉の体現でした。「贅沢は味方、欲しがります負けたって」と歌う東京事変の感覚を味わいつつ、王朝がかわるがわる立ち、クルアーンもそのたびに刊行され、各王朝が儀礼用の装飾品を揃え、そして次の王朝へ引き継がれていく――それはまさに、生命の営みそのもの。異国情緒の中に、普遍的なサイクルを感じ取りました。楽しかったです。それでは、また。

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パネル

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会場の様子