ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「蜷川実花 瞬く光の庭」展(目黒) レポ

時が止まる瞬間がある。

まずは概要から。東京都庭園美術館にて、9月4日まで開催。毎週月曜休館。開館時間は10時から18時。事前予約制。

お気に入りの1葉

蜷川実花の作品と旧朝香宮邸の調和

インスタレーション作品としてかなり完成度の高い展示でした。というのも、東京都庭園美術館はもともと朝香宮邸で、昭和期から残る美しい調度品や内装が魅力の美術館。そこに花の麗しさ、永遠にも似た美を緻密に計算して配置するという構成が、非常に素晴らしかったです。現代的な作品と古き良き内装がケンカしないどころか、調和する。これは東京都庭園美術館で開催されたどのインスタレーション作品でもそうなのですが、お互いの邪魔をしないのですよね、内装も作品も。それがいちばんの見どころかもしれない。

素晴らしき内装

お写真OKというありがたさ

アクリルパネル展示なので、基本的にお写真OKという「いいんですか⁉」という仕様になっております。せっかくなので連れてきた友人をモデルにポートレート撮影をしてきました。満足。

写真は「その瞬間にしか撮れない」ものなので、光の加減やモデルの位置、ボケ感など、様々な要素が組み合わさった奇跡的な1葉たちが集っている奇跡に感謝しつつ、自分もそれを目指して撮影したつもりです。

色彩の美

写真は半永久的に残りますが、移ろう四季、花の美などの消え去る儚いもの、「生きている鼓動」がするものを蜷川実花氏は非常にうまく切り取っているなあという印象があります。昨年の上野の森美術館で開催されたものとはまた違う、光り輝く写真群が魅力的でした。もちろん蜷川実花氏らしい、ネオン管による装飾もありましたが、それも内装にきちんとハマるので、このクリエイターの底知れなさを感じました。

この展示のすごいところは、写真におさめるという我々がスマホを手にしてから普遍的になった行為を、あらためて「力量次第でこんなに劇的な1葉になるのよ」というのを示した点にあると思います。打ちのめされたし、息が止まった。でも、そのたおやかな美は、どこまでも私の心を潤してくれるのでした。

会期終了まで1か月を切りました、ぜひ足を運んでください。