ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「ルネ・ラリック REMEX」に行きました

最後に特大の花火を打ち上げます。ごきげんよう、いつになく必死になって書いている桃ちゃんです。

まずは概要から。東京都庭園美術館(目黒)の企画展ですが、めちゃくちゃ混みますので、事前予約制です。QRコードを表示するタイプのやつです。平日夕方がオススメ。10時から18時まで開いています。6月26日から9月5日まで。お写真OKです、映えな室内と一緒にぜひ。毎週月曜はお休みですが、7月26日、8月2日、8月9日、8月30日は開館しています。8月10日は臨時休館。

ルネ・ラリック芥川龍之介

ルネ・ラリックは言わずと知れたジュエリー作家。そしてガラス細工師。そのモチーフはジャポニスムとも言えるような、動植物を選んでいますが、実は来日経験は無いそうです。しかしその自然をモチーフにする発想は、もともとフランスの農村で生まれ育ち、自然の中で「美しいものは人の心に宿るものだ」と感じたから、とのこと。その話で思い出したのが、芥川龍之介が子どもの頃「美しいものは雲」と言って失笑を買ったという逸話。彼の感受性を表現したものとされていますが、それはラリックも同じでした。対象物の中に美が埋まっているのではなく、感受性のある人間の側に、美しさの灯がふっとついて、それを人は「きれいだ」と言うのだ、と。きっとラリックも雲を見ていたら「美しい」と感じたことでしょう。夏目漱石夢十夜・第六夜の中で「明治の木には到底仁王は埋まっていない」としましたが、それも「人々が美しいものを見る目(=審美眼)を失った」から、というふうに理解すれば一貫性もあっていいのかな、と。もちろん、漱石は明治時代の文化の薄っぺらさを痛烈に批判したかったのでしょうが、私は個人的に芥川やラリックのように「人の心に宿る美しさ」という見方をしたいです。

内装との調和

以前訪れた時にハートを撃ち抜かれたこの内装に、ラリックの美術品が配置されたらどうなっちゃうんだろう私……とドキドキしていましたが、案の定鼻血を流さない一歩手前でとどまるくらいに麗しい空間が広がっていました。キラキラしたジュエリーやガラスが、アールデコ調の内装に似つかわしくて、「いとつきづきし……」と感嘆の声を漏らしてしまいました。なぜか古語で。美しいものを感じる心は洋の東西、時代を問わず同じなのだろうな、だって清少納言先輩は水たまりの上を牛車が通って撥ねた水を「水晶が割れたみたい」と言っているのですから、その遺伝子を受け継ぐ我々が「ラリックの宝石とかガラスの香水瓶とか、ヤバい」と言うのもむべなるかな。何も何も輝けるものはみないみじうをかし。素晴らしかったです。ロケーションも最高だし、展示品も美しくて、日本との関係性を感じさせるもので(けれどもオリエンタリズムにも傾倒していたので、純粋に日本らしさを追求したものではないですが)、そりゃ感動すること限りなし……と語っていたら日が暮れそうなので、ここでおしまいです。最後に写真を。それでは、また。

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メチャクチャ写真を撮っていました