ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「ブルターニュの光と風」展(新宿) レポ

マイナーどころのほうが、観る価値は高いのでは? という話をします。

まずは概要から。6月11日まで、新宿のSOMPO美術館で開催中。10時から18時まで開館、月曜が定休日です。もう1週間しかチャンスが無いので、新宿駅近という良アクセスの美術館で追いブルターニュをぜひ。写真もほとんどOKです。カフェも良心価格でいろいろ提供しているし、ゴッホの《ひまわり》がライトに観られるのもデカいです。

屋外のフォトスポット

「マイナー作品を展示してどうするのか?」問題について

今回の展示では、国立西洋美術館での展示にあったような、日本で人気がある画家の作品はほぼ出ていません。モーリス・ドニとポール・ゴーガンがいたくらい。その2人の影響力が凄まじかったのだろうということもわかるのですが、日本であまり知られていない画家を発掘しようとする美術館側の姿勢であったり、新たな視点でブルターニュを考え直すという点では非常に有意義な展示であると言えます。たいへんな名画(メチャ有名で、落札価格も億越え)みたいなのじゃなくても、ブルターニュ地方を描いた優品名品はある、というのがよくわかります。個人的にはゴーガンの交友関係の広さにビビり散らしていたので、ゴッホの孤独感がなおさら理解できてしまいました……唯一無二の友人だと思っていたゴーガンには、他にもわんさか友人がいたという悲しみ……でもゴーガンとゴッホの組み合わせは日本人みんな好き(主語デカ暴論)だから、違う視点で見られたのもよかったです。マイナー展示に挑戦することは、美術館としては採算が取れない危険性もあるけれど、鑑賞者の地平を広げることにも繋がるので、今後も頑張ってほしいです。

ピクチャレスクなブルターニュ地方

たくさんの画家がその地に赴き、着想を得たブルターニュ地方の「光と風」の印象がよくわかる展示でもありました。海沿いの嵐、漁の様子、民族衣装、宗教行事など生活や自然の描写から、ブルターニュ地方の人々が感じ、また画家が魅了された「光と風」が随所に表れていたので、まあ以下の作品の写真を見て「おっ」と思ったらぜひ行ってみてください。見たことのない世界に行けますよ。

ブルターニュ地方の人々や自然を描いた作品群