ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「ガウディとサグラダ・ファミリア」展(竹橋) レポ

物理と数学に強い人は行くべし。私も勉強します。

サグラダ・ファミリアの模型

概要

東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩3分のところにある「東京国立近代美術館」にて9月10日まで開催。月曜休館、10時から18時まで開館。金・土は20時まで開館。8月27日からは毎日開館し、20時までやっているという大盤振る舞いに震撼しました。それほどこの展覧会には需要しかないということ……! このあと滋賀・愛知にも巡回するので、お近くの方はぜひ行ってみてください。

ガウディの創作を支えたもの

ガウディはあまり人と積極的に関わるタイプではなく、学生時代も図書館に通い詰めて独学するほうが好きだったという逸話が残る人だったそうです。
数少ない無帽の写真も展示されていました。
ガウディは自然や幾何学に興味を持ち、それらから様々なヒントを得て建築に活かすことを考えていました。
実際の作品をみてみると、植物や鍾乳洞などがモチーフになっているものもあり、それらの自然から学び取ったものをガウディ自身で翻案して作品にしていたことがよくわかります。
何より「自然」を一冊の本にたとえ、「そこから人間が発見する」という言葉には自然に対する畏怖というか、自然を規範とすることへの情熱がありました。

独学スタイルここに極まれり、という話をひとつ。
奇抜すぎる実験(紐におもりをつけて曲線がどう構成されるかを調べ、鏡で反対側にしてアーチを作るとか、直線から曲線を生み出すための模型作りとか)をやってから実際の建築に移る、という地に足がついているような、そうでもないような、不思議な作品づくりの過程が垣間見られました。
それもこれも、自然と幾何学の組み合わせで作品を生み出そうという気概のあらわれなのですが、私の数字に弱い頭ではすべてを理解することができず……無念。もっと勉強してから挑めばよかった。

建築中のサグラダ・ファミリアを描いた絵



日本人にも人気の観光スポットであり、世界遺産にも登録されている「アントニ・ガウディの建築群」がどのような歴史の流れの中で生み出されたのかが、数多くの資料や模型、映像資料によっていきいきと伝わってくる展示でもあり、非常に勉強になりました。

ガウディの意志

ガウディはサグラダ・ファミリアの2代目建築家となり、生涯かけてその建造に力を注ぎました。
財政難だったり内戦だったり、いろいろな苦難を超えて、それでも「貧しい人が集って祈りを捧げる場所が必要だ」と考えた多くの人々によって、150年の時を経て完成に近づいています。
この歴史的な重みにはやっぱり圧倒されますし、日本人の建築家もかなり関わっているそうで、国を超えたプロジェクトになっていると感じました。
祈りの空間としてふさわしいものを作りたいという意志は、確実に受け継がれています。
貧しき者も富める者も、等しく神に祈りを捧げられる「サグラダ・ファミリア」の完成が非常に楽しみになる展示でした。

大聖堂の内部