ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

「エゴン・シーレ」展(上野) レポ

私はエゴン・シーレと奇妙な縁で繋がっていた。

まずは概要から。4月9日(日)まで、東京都美術館にて開催中。月曜休館、開館時間は9:30~17:30です。金曜日は20:00まで開いているので、お仕事帰りに行くのもアリです。事前予約制、ART PASSでQRコードを取得する必要があります。9章のみ撮影OK、フォトスポットあり、会場出口(再入場不可)にショップがあるので、スマホやカメラと財布は持っていくのが吉です。

看板

夭折した天才

16歳で美術アカデミーに再年少で入学するところから始まり、グスタフ・クリムトが応援する、ゴッホなどの作品と共に展覧会に出品するなど華々しい才能を早期から見せつけていたシーレ。その内面が、私にはとても気になるところがありました。

シーレは自画像をたくさん残した画家で、詩歌にも造詣があったのですが、そこに「アイデンティティの模索」というテーマが潜んでいると個人的には思っています。自分とはどんな存在なのか、どう規定されているか、他人の目を通さずに「自分はどう映るか」を追究していく様は、まさに天才が故の「他者の評価じゃなくて自分がどうしたいのかを見つけたい」という想いを感じずにいられませんでした。私は天才でも神様でもないので想像の域を出ないのですが、シーレはたくさんの人の中に囲まれながらも常に孤独だったのではないかと思うのです。誰にも理解されなくて、自分だけが頼りで、そんな自分は自分の目ではどう見えるのか……その終わりなき研究を続けたストイックな画家だったのだとも言えそうです。28歳の若さでその生涯を閉じるまで、ずっと前を見続け、自己を探求し続けた画家として、私は畏怖の念を覚えました。

クリムトにもココシュカにも会える

同じ20世紀ウィーンで活躍したクリムトやココシュカの作品が見られるのもよかったです。私はアールヌーヴォーやこの20世紀モダニズムが性癖でな……。彼が生涯で描いた200以上の作品のなかの、人物画も風景画も私の目には「自分が次の時代を拓く」という強い意志に大変感動したのでした。シーレには自分がどう映っていたのか、死後の世界でお会いできたらぜひとも教えてほしいです。

洗練されたデザイン、緊張感のある平面の絵画、そのすべてにクリムトの影響が出ていて、「こうして作品は作られる」ということを学んだ次第です。楽しかったです。最高。おかわり。超絶無敵に楽しかったので、みなさまぜひ!

激エモ解説壁面