ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

読書教育に関する一考察

記念すべき初出勤をキメました。気分が良いので書きます。

電子書籍が一般化した時代で

電子書籍と紙の書籍では、頭に入ってくる情報量が異なると言われています。紙には手触りとにおい、眼の動きがあり、電子書籍には光がある。その結果読解力に差が出る、なんて研究もあるそうです。

gigazine.net

それでもかつて困難校に在籍していた経験を持つ私は、「読んでくれるだけマシ」と考えてしまいます。そのくらい、読書をしない子はびっくりするくらいしません。だから見えている世界の解像度も違っていて、情景を表す言葉が乏しかったり、うまく自己表現できなかったり……ということも実際にありました。本を読んでもらうための導入として、電子書籍を使用することには賛成ですし、電子書籍で埋まらない読解力の溝を埋めるのが我々国語教師の仕事だとも思います。読字に困難を抱える児童生徒にとっては、読み上げソフトや自動マーカーに助けられる、ということもありそうです。個人的には紙の本にこだわる気持ちも分からなくはないですが、今後は共存していく道を模索した方がよさそうです。

司書としての業務

電子書籍の管理」というのも、もし学校図書館活用等で電子書籍を導入した場合があれば図書館司書の仕事に入ってくるので、そこも外せない論点です。蔵書管理、貸出、廃棄処分……そのすべてをデジタルで行う時代が来たか、という気持ち。実際にデジタル教科書を使っている学校は多いと思うのですが、あれも一種の「電子書籍」で、学校が管理しているそのシステムのなかでもうまくいっているところといっていないところとで格差が生じているように思われます。そこで司書の専門知を活かしてほしいのですが、いかんせんどこの自治体もお金がなく……デジタルの蔵書はどうするのか、詳しく教えていただきたいところ。

デジタル教科書と読解

デジタル教科書を使うメリットはいくつかあって、黒板やモニターに投影できるというのが最大の強みです。小学校の算数では、教科書に書いてある練習問題の答えも一発で表示できるという話を聞いてきて、「すごいものがある」と授業内使用を即決した桃ちゃんですが、それで果たして読解力がつくのかどうか、というのには、まだ懐疑的なところもあります。

ビジュアルでわかりやすく表示できる、印刷の手間がいらないというのはメリットとしてあるのですが、そのコンテンツをうまく使用するためには、教師の創意工夫が求められると思っています。たとえば国語なら、教材に出てきたものを実際に見せるためにデジタルコンテンツを利用することは当然として、サブの黒板としての役割を担わせることも視野に入れる必要があります。黒板ではグラフィックレコード的な図解、教科書に線を引いたり丸をつけたりするのがデジタル教科書……といった具合に、相互補完しながら使っていくことが大事です。

デジタルコンテンツ大航海時代

国立国会図書館のデジタルコンテンツも、公開の範囲が拡大されました。今まで遠隔複写とかをしていたのが、オンラインで見られるようになったのです。それを使って授業していく(教材研究していく)ことも、ひとつ考えていかなければいけないのかな……とも思っています。デジタルコンテンツを使って、視聴覚的に訴える授業が構想できたらいいですよね。でも、そこがメインになってはよろしくないので、最後は授業者の腕、どうそのコンテンツを料理するか……ということになるでしょう。

デジタルコンテンツを活用した授業については、今後も発信していきますので、そちらもぜひ。それでは、また。