ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり⑦ 歌川国芳(原宿)

いきなり6本も書こうとしている時点で、桃ちゃんの何かが壊れている。ごきげんよう

まずは概要から。原宿のラフォーレ真裏、太田記念美術館にて10月24日まで開催。10時30分から17時30分まで開館。地下には「かまわぬ」の手ぬぐいが買えるショップもあります。山種美術館(渋谷)との相互割引あり。小規模なので人数制限がかかるかもしれません、平日がオススメ。

私はあまり浮世絵に詳しくなかったのですが、この展示で非常に勉強したくなりました。というのも、この国芳の作品は「西洋絵画的」な手法が使われており、当時の画壇の潮流として革新的だったと考えられるからです。なんでも、オランダの版画をもとに作品制作をしていたそうで、陰影のある画面はまさに先進的なものだったのでしょう。江戸期の当時も人気でしたが、現在でもファンの多い浮世絵師なのは頷けます。

ねこちゃんがお好きだったようで、可愛いねこちゃんが随所にたくさん出てきます。前期の展示(PART1)でフィーチャーされていた模様……もっと見たかった。子どもの絵もたくさん残っていて、そちらも愛らしいです。優しいまなざしを向けている国芳の姿が目に浮かぶようです。とうもろこしを連獅子みたく描いた作品もユーモラスな表情をしていますし、まさに浮世=憂き世の苦しさを笑い飛ばしてしまおうという気概が見て取れます。

浮世絵には影が存在しません。それは表現できなかったからではなく、気付かなかったからなのかもしれないと思うようになりました。国芳よりも前の作品には、絵画の東西交流がほぼ無かったでしょうし、仕方のないことではあるのですが、西洋画を見た国芳の衝撃はいかばかりか……と考えてしまいます。そして「日本的な写実主義」の先駆けともいえる描写を編み出したのは、彼だったのではないだろうかとも、私には思えるのです。

会期終了まであとわずか! 皆様ぜひ。