ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

私は美術が大好きな素人

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由

10個も理由があるかどうか不安ですが、学術沼にハマった話をします。説教臭いのはご愛嬌。

美術は魂を癒す

私が芸術鑑賞を始めたのは大学生の頃、ちょうど病みついた頃でした。障害者手帳を持っていると割引してもらえたり無料で入れたり、お得に楽しめる娯楽が美術鑑賞だったのです。当時は死ぬことしか考えていなくて、けれど美しいものに触れている間だけは凝り固まった心がゆるゆるほどけていくような感覚を味わって、それ以来美術鑑賞が趣味となりました。

美術は歴史を映す

様々な美術作品は歴史というコンテクストの中に織り込まれています。だからこそ、その国の歴史・美意識・価値観を学ぶにはもってこいなのです。そういう意味で、イスラム教諸国からヨーロッパまで、そして日本の美術まで網羅した私は「偏見にちょっとだけ免疫がある」人間になりました。批判的思考、と呼ぶのもおこがましいですが、美術を通して他国の歴史を知り、現在を知り……その過程で「怖い」とか「変だ」といったマイナスの感情が消えていきました。もちろん自分の国についても、評価できる面・改善すべき面など多くを見てきました。だからなのか、すべての国をわりとフラットに見る姿勢が身についたのかな、と思っています。

美術は関係性の中にある

ナカムラクニオさんの「チャートで読み解く西洋美術史入門」を読みながら、あの画家はあの人と交流があって……と知るとなかなかに楽しいことがわかりました。だって、意外な人物と仲良くしていたって知ったら「点」でしかなかった人物像に「線」の繋がりが生まれて、立体的な知になるのですよ。だからそういう楽しさも、美術にはあると思うのです。

美術は個人を変化させる

これは敬愛する蜷川実花さんの世界観に触れるたびに思うことですが、ひとつとして同じ作品は無く、同じ美術展に行ったとしても一度たりとも同じ経験はしないのです。自分の成長、変化の中で物の見方が変わっていく、その変化を愉しむのも美術に触れる喜びです。

美術は個性の爆発

ピカソキュビズム絵画を見て、「気持ち悪い」だけで終わってしまうのはもったいないです。解説文を読んで、調べて、このアーティストの魅力って何だろう、と考えられると、思考がプラスに働いていきます。そういう「変なものと感じずにありのままを受け入れられる」ことが、これからの社会に必要なのかなとも思ったりします。

美術は教材になる

清岡卓行の『ミロのヴィーナス』という評論(随想?)があります。それはミロのヴィーナス像が手を失っているからこそ、自由な想像の余地がある、だから面白い、という文章なのですが、それ以外にも芸術論を扱った評論を読むことは多いと思います。私は今芸術論に強い国語科教員を目指しているので、いろいろなものを読んでいますが、そうやって高校生に芸術の素晴らしさ・面白さを伝えて、鑑賞者・創造者を育成しようという姿勢も好ましいです。願わくば創造者に資金を……。

美術はお得である

ご近所に美術館がある方は大変恵まれています。交通費と入場料(だいたい千円台)で至高の時間を過ごせるのですから。都心に行っても、洋服を買うお金の十分の一くらいで知識を得られます。コスパが良い。美術館の「万人に開かれるべき」という姿勢は非常に評価できます。

美術館は地域の活性化に繋がる

美術館に行くと、だいたいへとへとになるので、近くの喫茶店でお茶でもしようか、となるわけです。そうすると美術館の周りの街はどんどん栄えます。カフェめぐりがInstagramの登場でメジャーになった今、美術館を応援し、その地域にお金を落とすこともまた、経済を回すことになるので重要です。

美術は未来に残る遺産である

美術館の本来の目的は、美術品の収容と修復・保全です。誰にも知られていない名画を守り、未来に残していくためのバトンリレーを行うという最大の目的を持っています。そのためには入場者を確保して、お金を稼がないといけないのです。だから私は某歌広場淳先輩の発言「グッズは利益率がいい」を有言実行し、図録などを買っています。未来の人々にもアートを楽しんでもらいたいからこそ、残していくお手伝いがしたいですね。

美術は自由である

美術は定義がありません。偉い人たちが「美術です」と言えば何でも美術です。だからこれが美しい、とか、これは気に入らない、とか、そういうのは主観で、あまり説得力がないかもしれません。けれど、その主観に支えられて輝く名画・名作もあります。美しいものは宝石や絵の具で作られているものではありません。あなたの心の中の、感受性が「きれいだよ」って叫んだら、その瞬間から「美しい」のです。それを大事に鑑賞して頂けると、きっとみんなハッピーになると私は信じています。

 

はふー、疲れました。オタク特有の早口で入力したので、腕がバキバキです。(ここで追加のミルクティーを飲む)私の愛情、伝わったでしょうか。気になった展覧会は、ガンガン行くのが吉です。美術館はおしゃべりする場所ではないので、クラスターも発生していませんし、教養が身につくのでオススメです。私のレポにも! 愛情がこもっていますので! なにとぞ……よろしくお願いします……! それでは、また。