ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり① リバーシブルな未来

有言実行。書きます。美術館のレポです。

まずは概要から。恵比寿ガーデンプレイス内にある東京都写真美術館にて開催中。会期は10月31日まで、毎週月曜休館、18時まで(入場は30分前まで)。

今回は写真展ということで、私の専門では決してないところに飛び込んできました。何って、パパペトロウの写真が見たかったのです。動物の頭をした人物が、自然の中にぽつんと立っている。メッセージを感じないわけがない。自然との調和、人間と動物の境界線……様々なことを想像させる、不思議な世界観に引き込まれていきました。なんでも、この写真の人物はパパペトロウ氏のお子さんだそうで、異空間にいるような凄みを持った家族写真でもあったのです。とんでもないものを見ている。

他にも不完全だからこそ美しい、と題して赤い湿疹と金箔の対比を写真におさめた片山真理もかなりかっこよかったです。欠損、炎症、目をそむけたくなるキツさを持ったものに惹かれるのかもしれないです。振り返ってみれば私の人生の大半は「イタイ」立ち位置にいたので、なんというか、私は「イタイ」ものを寛容に受け入れたいのかもしれない。写真も自己表現で、私もInstagram等で写真を公開しますが、好きなものを切り取るだけでは面白くなくて。なんでもない、時に「イタイ」ものをさらけ出せるって最高に「カッコいい」んですよね。そういうのも自己陶酔なのかもしれないけれど。

この写真展は小さなギャラリーで行われていたのですが、大きな宣伝が無くても足を止めて入りたいという、不特定多数の人の欲求を刺激することに成功した展示だとも思います。それは展覧会のタイトルでもある「リバーシブル」に集約されているのでしょう、自分の属性も、誰かとの関係性の中で変化するし、ともすれば「見る側/見られる側」というこの展覧会そのものの関係性も逆転するのかもしれない。私はそんなふうに感じました。とても雰囲気のいい展覧会だったので、ぜひ。それでは、また。

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行ってきました