ゆったりまったり雑記帳

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「桃山 天下人の100年」レポ【note・ブログ共通記事】

そろそろお昼寝タイムですが、執筆がたまっているので仕事をします。どうも星野です。昨日やっと行けた展覧会の話です。今日まで東京国立博物館にて開催されている企画展示「桃山 天下人の100年」のイベントレポ。教科書でしか見たことのない「アレ」に会えます。感動体験が凄まじかったので、おすそ分けです。

最初に宣伝! お好きな桃ちゃんの活動を応援してくれるとうれしいです。

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外壁のお知らせ

本展は事前予約制。身一つで現地に向かっても何とかなりますが、オンライン受付を済ませておくとスムーズ。企画展は館内撮影禁止(常設展はOK)。90分入れ替え制。多分この形式が今後主流になると思うので、今のうちから慣れておくのをオススメします。
この「桃山」展の見どころは、武具から茶器、襖や屏風、書など幅広いジャンルの作品をカバーした展示と、国宝・重要文化財をこれでもかと公開する太っ腹な姿勢です。トーハクは障がい者手帳で入館無料になりますし、高校生・大学生は割引が効くので、ガンガン活用して日本の芸術や文化を堪能してください。今回音声ガイドはありませんが、それでも気合の入った学芸員さんの解説が読めます。メモを取っていると時間が無くなるかも。

今回の「桃山」展では、唐獅子の屏風や狩野派における屏風絵の変遷など、豪華で勇壮な作品が多数出品されています。天下統一を目指し、数多の武将が命を燃やした戦乱の世、そこに花開いた文化の精髄を余すことなく鑑賞できるのが、この「桃山」展の魅力です。今からずっと昔で、遠く隔たった世界にように感じられるかもしれませんが、心配ご無用、直感で楽しめる部分も多くあります。
例えば、私のお気に入りになった厳島神社に奉納される能の衣装があったのですが、桃山時代の作品とは思えないほど柄がモダンで素敵でした。また、美濃焼の繊細で優美な茶器にも心惹かれました。私はハンドメイドをやる人間なので、着物に興味を持つのは当然と言えばそうなのですが、専門外の焼き物にも美しさや価値を感じることができました。そういう感じで、お気に入りになる名品を探しに行くのもひとつの楽しみ方だと思います。「日本史の勉強をもっとしておけばよかったな」「古典の授業でこれはやったな」と思い出せればしめたもの。歴史や文学によって、過去から現代まで続く日本の「伝統」「美意識」などを感じ取ってみてください。ちなみにそれを一番感じられるのが「唐獅子」だと思うのですが、本物はかなりスケールがでっかくて、今にも動き出しそうな生命感にあふれていました。それを見るだけでもだいぶ教養の水準が上がるので、「知っていること」を増やす、ただの知識の集積だったものに意味を与える効果という面でも美術館に行って勉強することは非常に大事ですし、知っていることが増える楽しさが感じられるのではないかと思っています。美術は構えて観るものではないと思うのですよね、どこかでふと足を止めて「すごい……」「きれいだな」「カッコいい」と感じる経験が「お手軽に味わえる非日常」を演出してくれますから。美術鑑賞は楽しいお祭りです、敷居が高そうと思われるかもしれませんが、一歩踏み出せば世界の見え方が変わってきますよ。

完全に余談ですが、刀剣女子の皆様にかなりオススメの展覧会でもありました。刀剣の出品数が多いので。私も審神者ですが、まだ実装されていない刀でも「あの時会えた」というのが後々のイベント時のモチベーションになると思います。ちなみに昨日の常設展では三日月宗近が展示されており、私は感動で震えておりました。やっと会えたね、みかち……!! Pocket勢だから最初から居てくれたおじいちゃん……!! さすが美しすぎる天下五剣……!! その勢いで帰宅後本丸に帰還しました。玉集めも連隊戦も頑張る。

閑話休題。話を戻します。

桃山時代の作品は(良い意味での)派手さと思い切りが特徴ですが、「源氏物語」の「夕顔」巻・「初音」巻をモチーフにした調度品もあり、戦乱が続いているとしても、平安期から続く文学作品を愛する細やかな心が息づいているのは古典を教えるものとしてうれしいことでした。古典を学ぶのって、実用という目先の利益よりもはるかに豊かな色彩を得ることだと思うのです。だからきっと、武将たちも文学作品に親しんできたのだろうと思うと親近感が湧きました。また、長谷川等伯水墨画千利休が大成した茶の湯に代表される「侘び寂び」の境地も味わうことができました。あれは単に装飾をはぎ取ったものではなく、むしろ計算しつくされたシンプルさが、得も言われぬ「自然にそこにある感じ」を表現しているのかもしれない……などと思うなど。
他にも天下人である信長・秀吉・家康の手紙(書状)には、その人の個性がよく出ていて、伝説のようになっている逸話には表れないような人間味を感じ取れるのも面白かったです。意外と変体仮名があっても部分的に読めるので、内容もところどころ読み取れたのが個人的な成長でした。書状は訳のわからないものでは、もはやない。

泰平の世に移り変わる直前の、命の火が激しく燃焼していくような時代に生まれた名品たちが、現代に生きる私たちをも感動させる美しさを備えている。それがわかる瞬間に、美術館巡りはやめられないなと思うのでした。それでは、また。

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碧空の中のトーハクと、私のメモ書き