ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

TRPGで古典を好きになってもらう授業

今日は体調がすこぶる悪いですが、ヒーヒー言いながらパソコンにかじりついています。どうも星野です。
今回はTRPGを活用した古典の授業案、ということで単発の記事を書きます。古典の必要・不要論が話題を席巻している昨今、そこに「たのしいからいいじゃん」という無敵のフレーズで切り込むものを提供しよう、というコンセプトで作成しました。まだ実践はしていません(構想段階です)が、どなたかが実践された結果を伺うのも良いなと思って公開します。教師歴が浅いのでご指摘もコメントにて受け付けます。また、サポートも随時募っておりますのでよしなに。

まずこの授業の主役である生徒は、高校生を想定しています。学力層は幅広く、偏差値帯も特に限定なく使えるものを考えてみました。
題材は「源氏物語」の「空蝉」「夕顔」など、あるいは「宇治十帖」からの抜粋など、恋愛が絡むものを自由に選択します。
そして肝心のTRPGですが、同人誌「おまじな大饗宴」(PDF版がなんと1000円で買えます)収録の「恋する時間」を使います。
これはプレイヤーが恋のキューピッドとなり恋愛を成就させるシミュレーションゲームです。ランダムに選択された言葉を使って告白を成功させなければならないので、ことばの学習にもなるという意図でこれを選びました。

ざっくり授業の進行・展開を説明しますと、生徒はまずこの「源氏物語」というのが歴史上どんな位置づけにあるのか、「文学史」の側面から知識を身につけます。マンガ「あさきゆめみし」などで物語のあらすじを把握する導入でもいいと思います。(ちなみに私が初めて触れた源氏は「パタリロ」版でした)
参考文献としては山本淳子著「平安人の心で『源氏物語』を読む」なども面白いし短くて読みやすいと思います。
オーソドックスなトーク&チョーク型の授業で文法の把握(すべてを扱う必要はないと思います、あとで行うTRPGに関連する語彙や基本的な助動詞・敬語などを定着させるためのものです)と、内容の理解を深めます。その後作品鑑賞として女性側(空蝉・夕顔など)の心理・男性側(光源氏など)の心理を図表にする等の活動をします。作品の価値はどこにあるのか、物語としてどういうところが面白い(あるいは評価できない)と考えるかを記述できるようになったらゴールです。

そしておたのしみのTRPGセクションですが、語彙の習得・和歌の技法の理解など様々なアプローチのしかたがあるので、定まったやり方ではないのですが、4人で1組となり3人プレイヤーの1人ゲームマスターで進行する予定です。
具体的にどうするかというと、ロールプレイングで平安時代の恋愛を疑似体験する、ということで、「恋する時間」の進行表を使って平安時代の文化に触れつつ、光源氏がうまく女性に告白できるようにプレイヤーが指定された語の意味を調べたうえで適切な場面で使い、成功に導くという遊びをやるのです。
和歌の技法に触れさせたければ、選んだ語句を和歌の中に取り入れて詠むのを課題にしてもいいかもしれません。

この授業案のメリットは「遊び」によって生徒に「無意識的な学習効果をあげさせることができる」という点にあります。
古典は面白くない、訳が分からない、そう思っている生徒に「ちょっと面白いかも」と思わせられたらこの授業は成功です。
ハイレベルな学校であれば、2~3年生のアイスブレイク的に使うのも効果的でしょう。推定の授業コマ数は8~10程度。じっくりやるともっとかかるかもしれません。
課題としては「遊び」と「学び」のバランスをうまく取れるかどうか、という点が挙げられます。楽しいプレイングをするためには日々の勉強で知識を定着させないとだめなんだよ、ということを伝えて、動機付けをする必要もありそうです。
ただ自由度の高い学習形態になることが予想されるので、教師の腕次第で楽しくできる・分かりやすくできる余地はたくさんあると思います。
参考までに「平安人の心で~」の表紙、私の授業計画素案、そして「おまじな大饗宴」のリンクを貼っておきます。

今日は体調がすこぶる悪いですが、ヒーヒー言いながらパソコンにかじりついています。どうも星野です。
今回はTRPGを活用した古典の授業案、ということで単発の記事を書きます。古典の必要・不要論が話題を席巻している昨今、そこに「たのしいからいいじゃん」という無敵のフレーズで切り込むものを提供しよう、というコンセプトで作成しました。まだ実践はしていません(構想段階です)が、どなたかが実践された結果を伺うのも良いなと思って公開します。教師歴が浅いのでご指摘もコメントにて受け付けます。また、サポートも随時募っておりますのでよしなに。

まずこの授業の主役である生徒は、高校生を想定しています。学力層は幅広く、偏差値帯も特に限定なく使えるものを考えてみました。
題材は「源氏物語」の「空蝉」「夕顔」など、あるいは「宇治十帖」からの抜粋など、恋愛が絡むものを自由に選択します。
そして肝心のTRPGですが、同人誌「おまじな大饗宴」(PDF版がなんと1000円で買えます)収録の「恋する時間」を使います。
これはプレイヤーが恋のキューピッドとなり恋愛を成就させるシミュレーションゲームです。ランダムに選択された言葉を使って告白を成功させなければならないので、ことばの学習にもなるという意図でこれを選びました。

ざっくり授業の進行・展開を説明しますと、生徒はまずこの「源氏物語」というのが歴史上どんな位置づけにあるのか、「文学史」の側面から知識を身につけます。マンガ「あさきゆめみし」などで物語のあらすじを把握する導入でもいいと思います。(ちなみに私が初めて触れた源氏は「パタリロ」版でした)
参考文献としては山本淳子著「平安人の心で『源氏物語』を読む」なども面白いし短くて読みやすいと思います。
オーソドックスなトーク&チョーク型の授業で文法の把握(すべてを扱う必要はないと思います、あとで行うTRPGに関連する語彙や基本的な助動詞・敬語などを定着させるためのものです)と、内容の理解を深めます。その後作品鑑賞として女性側(空蝉・夕顔など)の心理・男性側(光源氏など)の心理を図表にする等の活動をします。作品の価値はどこにあるのか、物語としてどういうところが面白い(あるいは評価できない)と考えるかを記述できるようになったらゴールです。

そしておたのしみのTRPGセクションですが、語彙の習得・和歌の技法の理解など様々なアプローチのしかたがあるので、定まったやり方ではないのですが、4人で1組となり3人プレイヤーの1人ゲームマスターで進行する予定です。
具体的にどうするかというと、ロールプレイングで平安時代の恋愛を疑似体験する、ということで、「恋する時間」の進行表を使って平安時代の文化に触れつつ、光源氏がうまく女性に告白できるようにプレイヤーが指定された語の意味を調べたうえで適切な場面で使い、成功に導くという遊びをやるのです。
和歌の技法に触れさせたければ、選んだ語句を和歌の中に取り入れて詠むのを課題にしてもいいかもしれません。

この授業案のメリットは「遊び」によって生徒に「無意識的な学習効果をあげさせることができる」という点にあります。
古典は面白くない、訳が分からない、そう思っている生徒に「ちょっと面白いかも」と思わせられたらこの授業は成功です。
ハイレベルな学校であれば、2~3年生のアイスブレイク的に使うのも効果的でしょう。推定の授業コマ数は8~10程度。じっくりやるともっとかかるかもしれません。
課題としては「遊び」と「学び」のバランスをうまく取れるかどうか、という点が挙げられます。楽しいプレイングをするためには日々の勉強で知識を定着させないとだめなんだよ、ということを伝えて、動機付けをする必要もありそうです。
ただ自由度の高い学習形態になることが予想されるので、教師の腕次第で楽しくできる・分かりやすくできる余地はたくさんあると思います。
参考までに「平安人の心で~」の表紙、私の授業計画素案、そして「おまじな大饗宴」のリンクを貼っておきます。

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https://booth.pm/ja/items/816008

これを機にTRPGで遊びながら学ぶ生徒が増えたらいいなと思いつつ、終わりたいと思います。

それでは、また。