ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

新連載・教育現場から 1 勤務先について

仕事が本格的に始まり、土日は寝て過ごしました。更新が滞っていますが生きています。どうも星野です。今回は前後編に分け、新たな職場での目標設定をしていきます。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。お給料は上がったけれどそれでも家計は苦しいです。なにとぞよろしくお願いします。

実は転勤しました

私はこの4月から新宿にある単位制の高校で常勤として働くことになりました。ここはまだ開校してからそんなに経っていないところで、いろいろな活動を探り探り行っています。とにかく校長のカリスマ性が高く、教員たちもその考え方にある種「洗脳」されている感じがしなくもないので、のまれないように気を付けなければならないと思っています。どんなに正論を振りかざしていても、それがその文脈では屁理屈であることもきっとあると思うので、職場内政治に力を入れながら潰されないようにひっそりと生き延びようとしています。
生徒の人数もそんなに多くなく、1学級30人前後です。基礎学力をつけることを目標とした様々な講座があり、再履修して卒業することも可能です。多くは都立の併願として出される、いわゆる「滑り止め」の学校ですが、その反面単願も結構います。その背景には「発達障害グレーゾーンの生徒の受け入れ先」だったりとか、「元不登校児の受け入れ先」としての機能も果たしているからで、平たく言えば定時制のような感じの学校です。学力はかなり低いし、自信もないけれど、自分を変えるために勉強を頑張ろうとする生徒が大勢いる学校なので、そこも好印象でした。前の学校なんて、教師をナメてかかる生意気な連中しかいませんでしたからね……
とても小規模な学校なので、雰囲気がアットホームなのが前任校との違いです。以前は教員が全部で100人くらいいたので、話したことがない先生も多くいらっしゃいましたし、何より職員室がどんよりとしていて、話しづらかったところもありました。今のところは教員同士で褒めあう習慣がついており、すごく居心地が良いのは確かです。生徒に対しても、厳しい校則で縛り付けるということもなく、かなり穏やかな場所で「転勤してよかった」と思っています。
また、授業研究に力を入れている学校で、そこは非常にありがたいポイントでした。先輩から学べる機会もたくさんあって、自分も年に2回研究授業を担当させてもらえることになり、授業の腕だけを磨き続けた2年間が決して無駄にはならない場所で鍛えてもらえるのは嬉しいことです。授業をしているときの私と職員室での私にかなりギャップがあるそうで、かなりの衝撃を与えてしまったことは反省しています。教員に対しては明るく接することができないのは課題ですね。

勤務先の闇

ただ、ちょっとだけ気になったのは「この学校は正しさを求めすぎているのではないか」ということです。
もちろん教師には「正しさ」が必要です。教える内容に間違いがあってはならないのは当然ですが、人格の陶冶と訓育のためには手本となる教師の行動に「正しさ」が求められます。その一方で、指導の際に教師が持つ権力性を正当化するために、「教師の言うこと・やることは正しいのだ」と押し付けること(洗脳すること)もあると思うのです。今の勤務先は、どうもそこの視点が抜け落ちているのではないかと個人的には危惧しています。というのも、「正しい手順で生徒指導をしてください」「正しい手順で授業をしてください」と言われているのですが、その「正しさ」は何に基づいているのか、「正しさ」では何ともならない場合に、個人裁量で指導できる範囲はどのくらいあるのか、というのが明確になっていないのです。もちろん学校も組織ですし、手順やマニュアルに沿っていれば問題は起こりません。何も考えなくて済みます。だからこそ危ないのだと思うのです。この学校が求める「正しさ」の意味を、私は常に疑って(≒批判的に見ながら指導して)いかなければならないと考えています。

科目は国語表現・国語総合・現代文AとB・小論文になりました。古典が無いのはちょっと残念ですが、それでも私のやりたいことを放り込む余地はあります。特に国語表現ですね。いよいよTRPGの要素を抽出した授業を実践できると意気込んでいます。今のところ構想しているのは「ディベートの代わりにワンナイト人狼」「物語創作でワンシーンを演じてみる」などなど……この実践報告もこちらに書いていきますので、お待ちくださいませ。
各コマ(1コマごと)に目標がすでに設定されているので、そこから逸脱しない範囲でやっていこうと思います。水面下で波風立たせずに計画を進行させるのには慣れています。どきどきしますね。

前半はここまで。後半では主に授業の内容とか板書計画について語っていきます。それでは、また。