ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

過去記事一覧①「教壇に立つその日まで」番外編そのいち

久々に授業をしました。腕がなまっている。よくない。勉強します。どうも星野です。
今日は私の教育実習の思い出や、それにまつわるお話をしていこうと思っています。
イレギュラーな内容なので、番外編として前マガジンに登録しました。
1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。賭け事とかしていないので清廉潔白です。

私の通っていた大学では、3年次に1回、4年次に1回の教育実習が卒業要件としてありました。
追加で中等教育の免許も取ろうと思っていたので、4年次は2回実習がありました。
私の場合精神不調から卒業を1年延ばしたので余裕はありましたが、他の4年で卒業する同級生たちは大変そうでした。
就活の時期と卒論の執筆と教員採用試験とがぜんぶ同じ年にやってくるので、それはもう忙しかったろうと思います。

私は附属小学校で1回目の教育実習をした時、「教育ってたのしい、もっとやってみたい」と思うことができました。
仲間たちのサポートもあり、切磋琢磨しながらのんびりと時間を過ごすことができ、あらゆる教科を教える初等でも面白いと思えたのです。
それはひとえに指導教諭の先生がおっとりした優しい方で、たくさん私を励ましてくださったからです。
誰かに心を開くことが苦手だった私を変えてくれたのはきっとあの先生だったのでしょう。今の自分の指導にもその先生の教えが生きていることを感じます。
ですが2回目の実習では、1時間超怒鳴り散らされる、過剰に叱責されるなどのパワハラを受け(私の実力不足もあったと思いますが)、完全に初等への意欲が無くなってしまいました。子どもたちも「あの先生は怒鳴るから嫌い」「今の先生は怖いから桃ちゃん先生のほうがいい」とこぼしていたので、日常的に怒って恐怖で支配していたタイプの先生でした。そういうひとにならないようにしよう、怒鳴り散らすのは相手を委縮させたり反発させたりといいことがないし、意味がないのだ、と早い段階で気付けたのは収穫でしたが、二度と関わり合いにはなりたくないですね。
それ以来過剰に他人を怖がるようになってしまった私は、3回目の中学校での実習でもパワハラに遭います。ネチネチ嫌味を言われたり、「あなたは教師にはなれない」「諦めなさい」と言われたり、一度も褒めてもらえず最低の評価をつけられたり、他の実習生をひいきしていたり。相性の問題もあったとは思いますし、その短期間の成果で私の全人格が評価されるとは思っていませんが、これで中学校も諦めることにしました。その先生は私と決定的に合わない、せっかちで短気なタイプだったので、こちらも二度と関わり合いになりたくないです。

教育実習で散々な目に遭ったにもかかわらず、私が教えることに執着したのは、最初の実習で得られた達成感が忘れられなかったことと、塾での指導経験があったからでした。
毎年高校3年生を中心に指導し、英語と国語を教えていた私は、受験の攻略(どうやって生徒のポテンシャルを伸ばすか、どうやったら生徒に合った授業ができるか、などの研究)に熱中していました。実際GMARCHクラスはひとりかふたりくらい合格者を出していたので、それなりに成果が上がっていたのも自信に繋がったのだと思います。
あとは何より、反骨精神ですね。「絶対嫌味や生徒のコンプレックスを口にする先生になってたまるか」「怒鳴り散らす先生になってたまるか」という、ダメな例を目にして自分の指導を反省することができました。仕事への向き合い方や教材研究の仕方など、それなりに学んだこともありますが、その反面教師たちの教えは何一つ役に立っていません。というか何も教えてくれなかったので役立てようがないのですが。
そして大学側の渉外担当の先生や指導してくれた教授がとても温かく見守ってくださり、私のメンタルのケアもしてくださったのがとても大きかったです。
週に1回のカウンセリング時間を確保してくれたり、カウンセリング専攻の院生の先輩が相談に乗ってくれたり。あらゆる手段を尽くして単位を取り、免許を取得しました。

その後私はどうなったかというと、少々就職に苦戦しましたが、現在は週20コマ担当する高校教師になっています。
指導教諭の言うことがすべてではないです。たかだか2~3週間一緒にいるだけで見えてくるのは表面だけです。合う合わないはありますが、謙虚に学ぶ姿勢を身につけたり心を開く練習ができたり、私自身の成長に繋がったので教育実習に行った事実を後悔したことはありません。パワハラは積極的に訴えるべきだったし、自己主張もした方が良かったとは思っていますが、それでも現場の空気を実感できたのはとても有意義でした。
今メンタルに不調を抱えているけれど教職を目指したいという学生さんには、「大学側のサポート制度を使い倒すこと」をおすすめします。大学のカウンセラーの先生や保健管理センターの先生などに相談しましょう。力になってくれるはずです。私はそのおかげで夢を諦めずに済みました。
この春から大学生になる方や、実習生を受け入れる先生方に届けばいいなと願いながら、このお話を終わりにしたいと思います。

それでは、また。