ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

小学校で国語を教えるということ

先日話題になったことも踏まえて考えていきます。

国語の最終的なゴールって何?

国語はその教科の性格上、道徳教育に寄ってしまう部分もあります。例えば概念を導入するとき、算数では「こうやって筆算をするのか」とか「垂直ってこういうものなのか」とか、知識やテクニック的な部分を教えることになるのですが、国語では「言葉の持つ意味」だったり「物語の内容を踏まえた概念」になってしまうので、広義の道徳になりがちです。それは悪いことではないと思うのですが、ゴールにしていいとはあまり思えません。

それでも小学校の教員の多くは、国語だけでなく教える教科すべてを通して道徳教育と教科の知識やテクニックを教えていくつもりでいるはずです。じゃあ、小学校の国語科では何を以て「ゴール」としたらよいのか。それは大きな問題で、個人的には話題に上った後からしばらく経った今でも悩んでいるし、きっとこの先ずーっと悩み続けるのだろうとも思っています。その思考のプロセスを記録しておこうと思います。

バランス調整をすること

小学校では非常勤でも無い限り、一人の教員が国語だけを教えるわけではないので、横の繋がりを意識した指導ができます。教科が分かれている中高に比べて教養としての知識の導入、定着を図ることも容易です。そういう意味で、知識の獲得を学習の主眼に置くこともあるだろうし、読むことや書くことといった各技能のテクニックを指導することも大事なポイントです。各技能は中学、高校、大学と成長してからもずっと使うことになるので、おろそかにすることはできません。ただ、テクニック偏重でいいのか、とのご意見もあると思います。それはもう、各単元でバランスを取って指導していくしかないのではないか、というのが今の私の折衷案です。各教科を通して学ぶ道徳性、そして教科で学ぶ知識を有機的に繋げること、知識と技能を連動させながら高次の学習に活かすことが大事、ということです。

小学校で教えること

小学生は6年間で大きく成長します。最初はひらがなすら書けなかった子どもたちが、最終的には作文をガンガンこなすようになるのですから、その教育の価値は高く見積もられてしかるべきです。それなのに給与が安いのはなぜなのか……

閑話休題。話を戻します。

小中高と幅広い校種で指導した経験があるので、個人的には学齢や個人の特性に合わせて指導する内容、指導の方針、何を重視していくかを「縦の軸」(1年から6年までの時間軸、中高との連携)で考えるべきだと思っています。だからこその難しさと面白さがあるのですが、そこでもバランスを取ること、成長した後も使える学びを提供するべきです。クラスメイトと楽しく遊んだり、学習活動に取り組んだりしながら、できるかぎりたくさんの知識と技術を身につけ、さらに高い思考力・判断力・表現力を得られるようにサポートしていきたいものです。