お盆休みは映画鑑賞に費やしています。
どうも星野です。映画『Diner』むちゃくちゃよかったです。
今回はメディアリテラシーと新学習指導要領の科目で何か新しいことができないかと思い、こうして形にしてみることにしました。
私の勤務校は情報環境が非常に劣悪なので、どなたか実践してみてください……私も転勤したらやります。
そもそもなぜそんなことを考え始めたかというと、2年生の現代文のなかで『ネット人格』という評論を扱うことになったことがきっかけです。
ざっくりとあらすじをお伝えすると、ネットという匿名性の高い空間では、さながら「ハンドルを握ると運転が荒くなる人」のように「直接会うと温和なのにネットではかなりとげのある発言をする人」っているよね、というお話です。
Twitterには間違いなくいますね。私の主観が多く含まれていることを差し引いても、皆さん目撃経験はあると思います。
ネットに触れ始めたのは中学生の頃、今から10年ほど前で、ニコニコ動画などの荒らしを見ていた者としては非常に考えさせられる内容でした。
そしてこの評論文の結論は、「教育に問題がある」となっていました。
要は、ネットでのものの書き方を知らないからこうなるのである、と。
じゃあやってやろうじゃないですか。
そういう動機で考え始めたのです。
それでは実践の例を出す前に、まず今回の学習指導要領の位置づけから。
グローバル化、少子高齢化、AIの出現、そういった変化の中で、変わることそのものに向き合い、課題を解決する能力の涵養が求められるとしたうえで、知識技能の習得・理解を行い、学んだことを活用して人生を豊かに送ってもらう、というのが前提です。
従来の高等学校の指導内容は、「話す・聞く」「書く」の領域が乏しいこと、そしてPISAの調査で根拠を示したり論理的に読んだり表現したりといった能力が低い傾向にあると判明したことから、これからは高等学校でも「話す・聞く」「書く」の時間を20時間以上取ることになっています。
そんななかで科目の新設も行われたわけですが、今回は「現代の国語」と「論理国語」に焦点を当てて考えます。
「現代の国語」の目標は、「実社会における国語による諸活動に必要な資質・能力の育成」すること。
「論理国語」の目標は、「『思考・判断・表現力等』の創造的・論理的思考の側面を育成」すること。
どちらもインターネットやコンピューターの使用を推奨しています。
教科横断的に授業を展開し(つまり国語科間だけでなく他教科でもリンクさせるということです)、資料を引用して意見論述を行うなどの活動が取り入れられるわけです。
そこで、学習指導要領(平成30年度告示)の「ヨコ列」で比較をしてみました。
ざっとですがこんな感じです。
ここから、積極的に(教師それぞれが教えたい内容に合わせて)解釈していく必要があると考えています。
例えば、140字で誤解なく伝える限界に挑戦してみるとか。
契約書を読むだけでなく、この学習指導要領を根拠にして、自由に、生徒に合わせた指導ができればよいのでは?
と思ったのです。
というわけで、前置きが長くなりましたが、実践を考えてみたので提示します。
「論理国語」の題材としてTwitterなどのインターネット上の文章を推敲したり、伝え方を考えたり、できることはいろいろありそうだと思った中でこちらをセレクトしました。(本来なら「傷つけることを最小限に抑えて」「的確に」140字で伝える授業なども必要だとは思うのですが)
図書館と連携して、読書教育も兼ねて行えたらなと。
教科横断にも、評論・小説・韻文の内容の深い理解にも繋がる可能性があり、実践してみたいのですが、私の勤務校には図書室がないのです……(私もびっくりしています)
注意したいのは「正解を押し付けないこと」だと個人的に思っています。
ある程度幅を持たせて、こういう考え方もあるよと示し、最後は自分で決められるようになってほしいためです。
高校生の時点で何かを決定することは難しいかもしれませんが、多様なやり方・考え方に触れることによって、後々軌道修正もしやすくなるだろうと考えるため、あえてこうしました。
ブックレビューをブックトークなどに変えれば、「話す・聞く」の内容にもなります。
課題としては「どうやって興味を持ってもらうか(強制にしないで授業は進むのか)」があると思います。
書くことに困難を抱えている生徒にはコンピューターでの入力でもいいとは思うのですが、環境を整えることも考えないといけなくなります。
今後実践したら他の課題も見つかるかもしれませんので、ご興味のある方は是非。
私も2学期のテストで赤点を取った生徒にはこの課題を出す予定です。
学力の低い生徒にどこまで通用するか、試してみようと思います。
今回は実践紹介ということでnoteでも公開予定です。そちらもご覧頂ければと。
それでは、また。