ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

教壇に立ったその日から・番外編ナインス【note・ブログ共通記事】

お花見に行きたいという執念だけで書いています。どうも星野です。

今日は連続投稿の日です、ひとつめは「塾での指導について」。私が長く勤めている個別指導塾での教え方を記録しておきます。

11本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。明日は給料日ですが、まだお金は少ないままなので……何卒よろしくお願い申し上げます。

https://note.com/hoshino1616

 

私が大学に入った頃からバイトを続けている(来年度からは講習期間中のみ出勤する)塾では、本当にいろいろな生徒と出会ってきました。

ちょっと多動傾向のある子が落ち着いて授業を受けられるようになったり、最初はシャイな子かなと思っていたらお話をしていくうちにアピールしてくるようになったり、1年間で生徒ってこんなに変わるのか、と早い段階から知ることができたのはとてもありがたいことでした。学校でも生徒が1年間で学びに対する姿勢が大きく変わるので、その変化を楽しむのもこの仕事の醍醐味なのかなと思います。

今年はありがたいことに優秀な生徒に恵まれ、内部推薦や国公立大学合格なども出ました。私の塾での指導の集大成と言えるかなと思っています。

 

そんな私の基本的な方針は「生徒の特性に合わせる」に尽きます。正直学校で教えている時とほとんど変わらないくらい、生徒を観察しないと個別の指導もできないと思っています。

例えば、私は国語を中心に教えていますが、ある生徒を受け持っていて、「国語は最近調子が良くなってきたけれど、数学でつまずいているなあ」とか、「国語で伸び悩んでいるなあ」とか、そういうのを成績表や模試の結果から判断して、国語を他教科(この場合は数学)に切り替えたり、週あたりの授業時間数を増やしたりします。そのあたりは教室長(上司)の判断もあおぎますが、いちばん近くで接している講師にしか分からないこともあると思うのです。講師が気付いたことはだいたい外れないので、言動・問題の正答率などを細かく分析する(そして分析結果を伝える)、双方向型の授業にしていく必要があると考えます。そのため私は、上司のOKが取れたら基本的に保護者と直接交渉して授業数の変更や教科の変更、受験校などの検討について対応します。そのあたりは塾の経営方針によって変わると思いますが、ここで保護者対応の訓練ができたのも教師として働くうえでとても重要な経験になりました。

閑話休題。元に戻します。

生徒の特性に合わせるためには、問題を解いている様子の観察、メモを取らせた時や話している時の様子を細かくメモする必要があります。弊社には申し送り書的なものが存在しているので、授業しながら気付いたことをどんどんメモしていました。その結果「今回はここがダメだったから次はこういうアプローチをしよう」と自己と生徒を客観的に分析できました。それが今の教師生活でも「授業記録を書く」という行為に結びついているのだと思います。授業の記録を残しておけば、自分や生徒のつまずいたところ、理解できていないところや新たな発見を振り返られるので、初任の先生は1行とかそのくらいで構わないのでメモを残すことをおすすめします。

 

分析するためのデータが集まったら、あとはどう分析するかですが、そこで講師が「論理的に・合理的に考える」ことが重要になってくると思います。

例えば国語でつまずいていた生徒がいるとします。正答率はいいのにひとつの失点を悔やむAくんと、正答率はいまいちだけれど吸収はいいBくん。この2人にする対応は真逆です。

Aくんには自信を持たせるためにまず出来ていることを褒める。9割くらい褒めて1割失点について考え方・解き方を伝えれば伸びます。

Bくんには「分かった気になっていない?」と、ちょっと厳しめのことを言います。そこでノートの取り方や失点箇所の解説を自分の言葉で再生させて、さらに分析を深めます。

こうした対応を考えるためには、問題に対する姿勢を推測する必要があります。Aくんはどこでつまずいているのだろう、もしかしたら思考のフレームから見直したほうがいいのか、とか、Bくんはたぶん「その場でわかった気になっているだけ」だろうな、とか。ありとあらゆる側面から考えられる事態を想定して声をかける能力が求められます。

経験によってわかることもありますが、生徒と一緒に学んでいくうちに気付くこともあると思うので、気づいたときに分析できるように、いつもメモを取っておくことにしています。

また、多くの専門書・指導書を読みながら授業の実践をするのも大事です。理論と実践の往還が教育の本質だと考えているので、教育学部の授業で受けた内容を早速塾で取り入れたり、逆に塾のメソッドが理論として紹介されて「これのことか」と納得したりすることもありました。何事もまず体系的な理論に基づいて指導してみるのが一番ですね。

 

本当は、私はあまり対人コミュニケーション能力が高くないので、それを克服するために始めたのが今のアルバイトでした。やっていくうちに自分の教科指導能力とコミュニケーション能力が高まっていったのは、たぶん自分が上を目指そうとしていろいろと研究したからだと思っています。ひとにものを教えるためには、自分が常に向上心を持ち続けないとやっていけない(いずれ後退することになる)と思います。私はもう塾でほとんど教えませんが、その経験を活かして教壇に立ち続けたいです。

これが後進の方の何かの参考になれば幸いです。私も教師としてはひよっこですが、共に頑張りましょう。

それでは、また。