ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

石岡瑛子展 レポ(2021年2月)

すっかり書くのを忘れて、この二日間爆睡していました。どうも星野です。そろそろバレンタインデーですが、皆様のご予定はお決まりでしょうか? 私は大切な人とプレゼント交換会を行う予定です。そのバレンタインデーまでの開催となっている展覧会についてが今回の記事の内容です。「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」……非常にエキサイティングでした。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。更新するする詐欺で申し訳ないですが、書きたいものはあるのでお待ちいただけますと幸いです。

概要


展覧会概要から。2月14日まで、都営大江戸線半蔵門線清澄白河駅からちょっと歩いた先にある東京都現代美術館にて開催中です。入場には日時指定券が必要ですので、事前にネットで予約するのが吉。めちゃくちゃ人が入っていたので、気になっている方はお早めに。10時から18時まで開館しています。

石岡瑛子さんは広告・舞台芸術等のデザインを手掛ける現代アートの大家です。私は「白雪姫と鏡の国」という映画の衣装を担当されていた方、という印象が強かったのですが、それ以外にも本の装丁や三島由紀夫の映画の舞台芸術なども監督されたと知って、マルチな才能というのはどこまでも広がる大海のようなものなのだと痛感しました。舞台や画面で映える「デザイン=視覚芸術」の妙味、というものを感じ取るにはとても良い勉強の場になりました。これについては、石岡さん自身「視覚芸術という言語でメッセージを発している」というようなこともおっしゃっていたようで、「視覚芸術は言語であるのならば、受け取り手に良くも悪くも何かを感じさせる『願い』が、作品を『美しいもの』として成り立たせるのだ」と非常に感銘を受けました。

素晴らしかったのはこれ!
個人的に大好きなドレスの展示は、ぎりぎりまで近づいて食い入るように見てしまったし、デザイン画も舐めるように見つめてしまいたくなるほど、石岡さんの感性の豊かさがびりびり伝わってきました。写真NGだったのが悔やまれますが、どの衣装も壮麗だし、何より作品が最大限引き立つ工夫をされている印象を受けました。そこはプロの技なのだな、と。(実際に、ご自身の希望や理想の実現よりも、共同で仕事をしている方の要望を聞いてそれを実現しようとする)そして石岡さんのアートワーク全体を見て、魂を揺さぶられるような「美しくて強い意志」が作品の中に一本芯を通しているというか、作品の背骨として、しっかりとそれぞれの作品世界を支えているように思われてなりませんでした。

私は教育の世界に身を置きつつも、アクセサリーや洋服等の作品を製作する身ですので、石岡さんの才能の根っこにあるものが何なのか、非常に気になっていました。というか、広告もじゅうぶん国語科の教材になりますし。そもそも板書やプリント等のデザイン能力は、教職員にも必要とされますし。そういうわけで、趣味と仕事の両方で、石岡さんの活動に何かヒントを得られないかと思いながら会場を回っていたのですが、そこで強調されていた「不断の自己変革によるアンテナ感度の高さ」が素晴らしいなと感じたのです。
作品を製作して、それが革新的だと言われるのは若者の特権ではない、と石岡さんは語っておられます。何か自分の持っているものを専一に磨き続けて、マンネリ化したら環境を変えたり新しいことに挑戦したりと、常に自己変革を恐れずに取り入れているところだったり、革新性(常にバッシングと隣り合わせの挑戦)を求めるためにまず自分がいろいろな出来事を吸収して、時にセルフプロモーションで売り込みをかけたり、常に自分を疑い続けながら作品と向かい合って「デザインを見直す手間」をかけたりするところだったり、そういう「普段からの不断の努力」があるからこそ、作品が色あせない理由があるのかな、と考えながら感動に浸っていました。

すべての道はデザインに通ず


もっと現代アートの持つ魅力を肌で感じていたかったのですが、閉館間際に滑り込みで行ったので、ゆっくりできませんでした。もっと浴びるように見たかったです……次回からは時間に余裕をもとう。デザインという仕事を通じて、様々な属性を持つ人に勇気を与えたり感動させたりすることの尊さを感じたので、自分の作品にも活かしていきたいところ。デザインを練るためにたくさんのラフを描いて、そのレタッチもしているのがプロとしての責任を感じさせるものだったので、私も見習いたいです。計算され、洗練された美は、粗さを持った勢いだけの作品よりも優れるのだということが脳みそに直接メッセージとして送られてきました、私はそこが良くないんだぞ……幅広い意味での「デザイン」のための知見を得られた貴重な経験になりました。楽しかったです。
女性だから持ち上げられるのではなく、純粋に「ひとりの芸術家」として高い評価を得ている石岡瑛子さんから、まだまだ目が離せそうにないです。皆様もこの週末に美術館デートとかいかがですか? マイペースに鑑賞できるのも気楽で良いですが、感想をその場で伝えあって、何か新しい発見があるのも誰かと美術館賞をするメリットですからね。ぜひご検討ください。それでは、また。