教科書で見たアレ、殺到。
まずは概要から。12月11日で閉幕です、見るなら今!! 木・金・土・日は20時までやっているのですが、事前予約のチケットが無いと入れないので、チケット販売を当日やっているか問い合わせてみてください……戦争がすさまじかったと聞いています……同時開催で「150年後の国宝」展も表慶館でやっています。ガンダムとゴジラと初音ミクちゃんがいるよ。こちらは1月までやっています。上野の東京国立博物館(トーハク)にて。
トーハクくんの本気
刀剣女子界隈では聖地じゃないかと勝手に思っている上野のトーハクですが、今回超本気です。すべてが妥協無しのガチ国宝・ガチ重要文化財で攻めています。「あ、これ教科書で見た記憶がある……」みたいなのが1ブースにつき2~3回はありました。それだけ基礎教養になっているもの、有名どころを一挙に公開したところに「本気」を感じました。《遮光器土偶》は生で見るのが初めてで「ウワーッ!!」て興奮したし、《見返り美人図》《ポッピンを吹く娘》でも教科書で扱った懐かしさのあまり「ウワーッ!!」てなったし、まさかの大好きな黒田清輝の静物画と対面して「ウワーッ!!」て心の中で涙を流しました。つまりみんな「ウワーッ!!」てなるんです、この展示。
トーハクくん、みかちの裏を見せる
1フロアでかなりの面積を割いて展示されていた刀剣類。今回は刀剣擬人化の先駆的ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とのコラボグッズも販売され、同ゲーム内に登場する刀剣も展示されているという、審神者喜びのあまり死んじゃう案件の展示ブースがありまして、私も出戻りしそうになっています。今あんまり触っていなかったの、刀剣乱舞くん……ごめんね。そこで凄いと思ったのが、「裏側から《太刀 銘 三日月宗近》を見られる」配置にしたことでした。真裏の光の当たらない部分の打ち除けだとか、のたりが見えて、「そんなところまで……⁉」とかなりやばめの目つきで興奮しながらじっくり堪能してきました。その発想は無かった。もっとやってほしい。アンケートにも「ありがとうございます」って書いちゃいました。今度は小竜くんの裏も見せて!(小竜くんが最近好きになったキャラなのです)
150年後も続くように
トーハクの150年の歴史を振り返り、様々な名品を目に焼き付けられたアニバーサリーイヤーの2022年。そして、そこから先を考えなくてはならないのが、私たちの役目です。作品は誰かが「これは貴重だ、大事だ、保存しよう」と思わなければ容易に消え失せます。150年間多くの人が国宝を大事に守ってきたからこその今なのです。だからもっと美術館や博物館にはお金を落とさなければならないし、国も補助をすべきだと考えます。そんななかで象徴的な展示が「150年後の国宝」と題されたもの。
こちらはガンダムとかゴジラとかプリキュアとか初音ミクとか、そういうサブカルなものから、麹、キッコーマンのしょうゆ、コンビニなど、150年後には消えてしまうかもしれない、でも今残しておかなきゃ、という願いのこもった存在がたくさん集まっていました。公募でこれを残したいと思った、というのを集めて、特別賞を貰ったものは実際に展示されている(ファミコンとか昭和の子ども机とか……)のも非常に好感が持てました。だって、歴史を作るのは私たちだから。
150年後の世界がどんなふうになっているかはわからないし、たぶんその頃私は死んでしまっているけれど、その未来に遺したいものを守るために、何ができるか考えたい。そんな展示でした。