たくさんのお話を伺えました。蔵出し。
画業が軌道に乗って……
内田さんが会社を辞めて4年。そしてその年から海外進出を進め、今年もドイツに行く予定だとのことでした。え、でも今円安では……? と率直な疑問をぶつけたところ「行くのがしんどいです(予算的に)」というお返事が。そうですよねー!! それでも海外のほうが大きな絵を飾る文化があるようなのです。そもそも内田さんのイラストは精巧で緻密、線の細かさが魅力。その細かさを壁面に再現するのだから、そりゃ海外の人たちも「WAW!」「AMAZING!」ともなるよなあ……と。だから海外ウケが良いようなのです。また、海外のほうが単純に土地が広く、自宅の中に飾れるだけの壁面も多いためかも? という内田さんの分析もありました。なんにせよ、今は画業だけで1年間乗り切ったということで、大変めでたい! でも謙虚に頑張り続けたい! というお話でした。
初めての水彩
今回は展示スペースに水彩画が置いてありました。めちゃくちゃカッコいいのですが、まさかの「(絵の具は)Can Doで買いました」――内田さん、いくらなんでも材料費が安すぎます! 水彩もやってみて、研究してみたいとおっしゃっていました。画業に対するひたむきな姿勢が感じられて、そのお姿に思わず桃ちゃんは「なんだか自信がついたみたいですね!」なんて安易なことを口走ったのですが……
「他の人と比べない」「実力勝負の世界だから」
というシビレル回答を頂きました。
他の絵描きさんは、事務所を持っていて、荷物を持つ係の人もついてきて……とほぼ芸能人のように仕事をするそうなのですが、内田さんは完全に個人営業です。でも、会社を辞めてから絵を本気で仕事にすると決め、その過程で多くの作品を生み出し、ロト6のCMになったり大使館の壁面を飾ったり、目覚ましい活躍を見せてくださいました。それが今の仕事に繋がっていて、内田さん自身の中にも「自分でやれる」「このくらいの仕事なら受けられる」「こういう仕事ならできる」という確信にも変わったそう。他人と比べても仕方ないけれど、勝負は絵でつける。そんな確固たる決意が感じられました。
アトリエが欲しい
今後の展望としては「アトリエがほしい」という話が出ました。なんでも「アパレル等の在庫が家では管理できない」とのことで……それはたいへん……せめて作業部屋が欲しい! とおっしゃっていました。相当今のおうちでのイラスト制作は困難を極めているようで、「思っている以上に限界です」とのこと。皆さん在庫を枯らすなら今です!! 今しかないです!! 描くことに対して貪欲に、誠実に向き合うことにした内田さん。「たぶんそういう、壁を乗り越えていく星のもとに生まれたんだと思う」なんてお話もありましたが、壁にマンガを描いてアートに変えることで壁を乗り越える、そのタフな人生からはまだまだ目が離せそうにありません。
26日までデザインフェスタギャラリーWESTの1階で内田さんのライブペイントも見られますので、ぜひその目に焼き付けてください。