ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

秋の美術館まつり⑧ 最澄と天台宗(トーハク)

『阿・吽』を全巻買った私に死角など無かったのだ。ごきげんよう、桃ちゃんです。

まずは概要から。11月21日まで公開。毎週月曜日休館、それ以外は9:30~17:00で展示開催。事前予約制。今回はチケットがお高めですが、そのぶん貴重な資料が見られます。最高ですね。

www.tnm.jp

最澄は「限られた者だけが救いを得る」という南都六宗の考え方を否定し、「すべてを救う」ことを目的とした仏教を興します。それが「天台宗」。その時点で生き方がカッコいいのですが、なんと最澄様は色白美丈夫ときている。絶対に高橋一生みたいな人だ。私は確信しました(※個人の感想です)。おかざき真里先生のマンガ『阿・吽』にも出てくる内容が盛りだくさんで、ファンとしては非常にうれしかったです。というか、あのマンガの下調べ(文献調査、史実との考証)がものすごくしっかりしているのだということですね、さすがすぎる。そんなミーハーな私をよそに、最澄様の像に手を合わせて頭を下げる人の多さが印象的でした。この教えが千年の時を超えて今の私たちをも救ってくれる感じがして、大変好ましかったですし、私も敬意をもってご対面を果たしました。ものすごく落ち着いた表情で、どこか儚げで……たくさんの苦悩を背負った型だろうと感じました。「すべてを救う」としたその御心はきっと、その優しさに起因する。そしてその優しさは、歴史上の特異点と言っても過言ではないのかもしれません。

どの展示もそうですが、基本的に私は歴史の教科書で出てくるだけの情報にしてしまうのはもったいないです。見に行ったその経験が、まわりまわって実を結び、何かの拍子に恵みをもたらす。だから私は、個人的にただの点じゃなく織物(テスクチャ)としての知識、というのを標榜しています。そういう目で見ると、以前あった空海の展示で見たメモ書きに近い文字や、仏像の作り方、その意味……すべてがわーっと一瞬のうちに思い起こされて、軽くハイになれます。たとえハイになれなくても、しみじみと趣を感じるでしょう。そういう識=織としての楽しみ方をぜひしてほしい展覧会でした。楽しかった!

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記念写真