ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

新連載・教育現場から 2 授業の目標と板書計画について

ブログの記事ではっちゃけた文章を書いた後、頑張って真面目に書いています。時間と脳みそのキャパシティが足りない……どうも星野です。新しい職場で、心機一転頑張っております。今回は月曜に更新したものの後編、やりたい授業について書いていきます。Twitterでご質問のあった、板書計画の立て方についても書いていければと。この記事を読んで、参考になったなーとか、良いなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。こっちも更新したいけれど真面目に社畜は時間がないですね……桃ちゃんは悲しい。でも今日やるから大丈夫!(無根拠な自信)

生徒の実態

生徒たちは「勉強の仕方がわからない」あるいは「発達上に課題があり、なかなかタスクをこなせない」等の様々な背景を持っています。なかにはトランスジェンダー等の、違った方向での配慮が必要な子もいるのだとか。それでも他の先生方は、「同じ人間でしょ?」と言い放つので、何というか、達観していますね。配慮の塩梅を心得ていらっしゃる。私もそうなりたい。
うちに来る生徒は本当に多様なので、場面緘黙の子もいれば自己中心的な子もいるし、メンタルの弱い子もいます。だからそれぞれの個性や特質にていねいに対応していくこと、コミュニケーションを多く取っていくことが求められます。桃ちゃんは非常にコミュニケーションを取るのが苦手なので、当面は観察に徹しようと思います。ただ、彼らに共通しているのは「自分で目標を定められない(主体性がない)」のと「自信がない」、そして「簡単な方に流されやすい」ということ。最近の子どもたちはインターネットの発達によって、好きなように情報を切り取れるようになりました。しかしその行為が非常に恣意的であることや、自分の中に確固とした判断基準があって考えているわけではない生徒も多々います。そういう生徒に、何を学ばせるのか、来週から始まる授業開始後1週間で考えなければなりません。彼らには何が足りなくて、どうしたら身につくのか。ニーズ把握とレディネスの調査が当面の課題です。

今年度の教育テーマ

個人的に目標として掲げているのは「立体的な知」というテーマです。前任校で「日常生活と国語で学んだことを結びつけるという発想がなかった」というリフレクションを頂いて、「知識を繋げて活用すること」ができるようにならなければきっと教えたことは忘れ去られてしまう、と危機感を持ったのがきっかけです。有機的に、知識をリンクさせていく。そういう授業を構想しています。だからどんなに学力が低かろうが、ノートもリフレクションも書かせますし、考えることを止めさせません。「できないからやらない」のではなく「できないからできるようにする」のが私たち教員の大事な使命だと思うので、とにかく「ヒントを多く出してでも手を、頭を動かしてもらう」ようにします。
生徒の中でも、勉強をしたい(進学したい)という欲求はあるようなので、まず知的好奇心を刺激する工夫を取り入れていくべきだと思っています。そのため、ゲーム形式にしたり、活動中心にしたり、かなり初等教育的な授業構成になることが予想されます。ただ、私はもともと初等教育教員養成課程にいましたので、その時に学んだ知識や、小学校に勤務する友人の知恵も借りながら授業設計していこうと思っています。

国語に特化した目標は、「ロジックとレトリックをバランス良く教えること」です。このふたつは、文章においてどちらも欠かすことのできない要素だと考えています。自分が物書きだからなのかもしれませんが、言葉の選び方、文体、そういうものに人間性ってにじみ出ると感じるので、まずは文体のリズム、特徴をつかむ。そして内容を精読し、最終的にロジックとレトリックの両方が、どのようなハーモニーを奏でてこの文章が成立しているのか考える……みたいな授業を構想しています。そのレベルまで生徒の学力を引き上げていくのが私の役目ですので、基礎から応用まで、じっくりゆっくり少しずつ教えていきます。
授業スタイルは大きく変えません。文章を読みながら発問と応答を繰り返し、遊びの要素を取り入れた、簡単かつとっつきやすい導入から、できるだけ深いところまで発展させて読み取る。その都度リフレクションに記入し、お返事を書く。そして学びをポートフォリオ化する。これでたぶん、生徒は成長を実感できるのではないかと。今までの授業スタイルを、模擬授業の時には否定されませんでしたし、むしろ歓迎されたので、私の使える武器として、技を磨いていきたいです。そしてどんなレベルの生徒にも対応できるように、参加するだけで楽しい授業、活動すればするほど深い学びの起こる授業をつくりあげていく所存です。
他にも図書館の利用推進、キャリア教育の充実化、文学批評ゼミの運営、TRPGの教育利用……やりたいことは山ほどあります。ただ、全部を一気にやるのは無理なので、ひとまず生徒の様子をみてから優先順位をつけて取り組みます。自分自身が教育のこと、国語のことが大好きだとわかった1週間だったので、その気持ちを忘れることのないよう精進していきたいです。

板書計画の立て方について

最後にちょこっとだけ、私の裏技を話します。
初任だったり転勤したてだったりして、何と発問したらいいか、どんな板書計画を立てたらいいか、わからない人も多いかと思います。そのためのtipsです。
まず、長くしないこと。1ページに情報を詰め込みます。重要なポイントだけをおさえるのです。補足情報は黒板の隅っこにメモすればいいので、最低限ここだけは外せないという部分のみ、板書計画の中に入れます。国語科の場合、書いてある内容について脚問や「学習の手引き」を参考にしつつ図式で要約する、というパターンが良いと思います。そうすると自然と「こう発問した方がいいかな」「この話がしたいな」という自分の中の方向性が見えてきます。それを付箋に書いて、ひたすら貼るのです。これで板書と指導計画はOKです。そしていざ授業へ……となるわけですが、万全だと思って臨んでも、失敗は絶対します。だからこそ必ず授業後に「反省ノート」をつけたり、板書の写真を撮ったりして、自分の失敗を可視化することが大事です。そこから次の時間を修正していけるので、1年間かけて教師自身も記録を残すとぐんと成長できます。オススメです。
私も、今のところで授業をするという意味では新卒の先生と変わらないので、また反省ノートを書きながら(諸事情により前年度から大きくスタイルを変えます)、生徒と一緒に進化し続ける教師であろうと決意を新たにしました。頑張ります。
板書についてはこちらのツイートをチェック。それでは、また。