ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

教壇に立ったその日から・番外編セブンス【note・ブログ共通記事】

日々の娯楽はことごとく潰されてゆくのに、どうしてお仕事は無くならないのか。どうも星野です。

ライブの振替公演に行けないことが分かったのでもうショックすぎて夜しか眠れない。

今回は「図書館」についてのお話をしたいと思います。11本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。https://note.com/hoshino1616

 

皆さんにとって図書館はどんな場所でしょうか。勉強する場所、本やCDが借りられる場所、最近ちょっと足が遠のきがちな場所……いろいろあるでしょうが、私にとってはいつも「救いの場所」なのです。

小学校の頃からいじめや厄介ごとから逃れるために学校図書館に入り浸り、図書委員という職権を乱用して読みたい本をリクエストしまくった経験を持つ私の命は、まさしく本に救われたと言っても過言ではないです。

今も地元の公共図書館を利用し、週に3冊ペースで借りて読んでいます。しかしこういう生活とは無縁の方もいらっしゃるのだろうとは思うので、「なぜ今図書館が必要なのか」を語っていきます。

 

図書館はコミュニティを形成したり、情報のリソースになったり、学習センターとして機能したり、様々な役割を持っています。その地域にしかない郷土資料を保存・管理するのもお仕事です。

学校図書館に限定するならば児童生徒への読書教育を推進し、調べ物をする能力から読解力までを養っていく役目も負っています。

図書館は誰にでも開かれた場所でありながら、どんな本を読んでいるかなどのプライバシーは守秘義務として徹底的に守られる場所なので、専門的な知識がないと司書ができないのです。

まあ、最近はそのあたりが軽んじられて非正規に任せるとかAIで代用するとか、冗談もほどほどにしてほしいくらいの戯言が言われていますが。

活用できるとかなりお得な場所であることには変わりがありません。司書さんに「こんな本ありますか」と質問して取り寄せてもらえるレファレンスサービスなど、自分の知りたい情報に簡単にアクセスできますし。

そこがどうして活用されないのか、ということに常々疑問を抱いていました。

意識が変わったのは今の勤務校で働き始めてからです。彼ら(生徒たち)は、図書資料の調べ方や読み方を習っていないので、レファレンスはおろか自分がどんなサービスを受けられるのか知らなかったのです。

世の中には(当たり前ですが)自分と違って本を読む環境にいない子どもたちもいるのだという事実に驚愕しました。

そういう子たちは大人になってからも図書館を利用しない(あるいは利用したくてもできない)のではないか、それはもったいないのではないかという思いがあり、来年度からは図書資料を活用した授業もいくつか展開する予定ですが……それは後述するとして。

喫緊の課題は図書館利用者の低減、というより偏りにあると考えます。若年層が本を読まない状況を変えたい。ではどうするか。

 

そこは学校図書館や学校の授業で指導していくほかないと考えます。

というのも、経済的な格差が厳然として存在する以上、私的な教育では限界があるからです。小~中学校、高校あたりまでで図書資料の活用法を授業の一環として学習する機会があれば、読書教育の諸問題もひとつずつ解決できるのではないかと思うのです。

例えば、入学したての中学生に「日本十進分類法」の話をする。それだけではつまらないので、謎解きゲーム要素を入れて図書館を「探索」する。その過程で、図書資料の調べ方・活用法を学ぶ。こういった活動もあっていいのではないでしょうか。既に行われているというお話も聞きますから、もっとメジャーになってもよいと考えています。楽しく学ぶ、というのがポイントで、本を読むことに抵抗のある児童生徒にも興味を持ってもらわないとあまり意味がありません。ほんとうにこの情報が届いてほしいのは本を読むのが嫌いな子、ということも大いにあると思います。

図書館と連携した授業については、例えば国語ならいろいろな訳(多言語でも構いません)の「枕草子」「源氏物語」を読み比べて、どうしてその訳出になるのか考えたりとか、作家の逸話を集めた本を読んで発表するとか。小学校なら読書習慣をつけるために週に1回図書の時間が設けられているところもあるでしょうが、それ以外にも理科の実験の仕方を調べて実践したり、社会科で昔の地図と今の地図を見比べたり、音楽や図工で作曲家や画家の生い立ちなどの伝記を読んだり……使い方は無限大です、教師の皆さんには司書教諭や学校司書に相談して授業を構想してみてください。

 

私の教育実習先には大型絵本があったので、1年生の子たちに絵本の読み聞かせをしてあげたり、司書としてどうやって蔵書を入れるのかの会議にも出席させてもらったりと、いろいろな経験を積ませてもらいました。その話もまたいずれ。

図書館の利用のために、まずは学校で力を入れて使い方を知ってもらおう、というお話でした。それでは、また。