ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

教壇に立ったその日から・番外編フォース【note・ブログ共通記事】

最近安定して眠ることができています。どうも星野です。異例となる今月3回目の更新。

今回は少しTwitterで話題になった「学級運営」の話をしたいと思います。

事の発端は、怪しげなセミナーに感化されないで……という注意喚起。

そこから「小学校教諭に求められる専門性」と「高等学校教諭に求められる専門性」の差についておはなししていらっしゃる方がいたので、大学生活を教育実習(小・中)に費やした私から何か発信できることはないかと思い、執筆に至りました。

 

正直な話、高校の先生と小学校の先生では大違いです。

対象とする子どもの学齢、発達段階、ニーズ、規模……両者がまったく違う環境にいるのは確かです。

しかし初等の免許も取った私から(控えめに)申し上げますと、高校の先生にもある程度の知識は必要だと思います。小学校で何を学んでいるのか、どのように児童生徒および保護者に接するのがベターか、等々。教科の専門性だけでなく、学級運営のテクニックも知っていれば、うまく立ち回れる場面は多いと感じています。

実際のところ私は机間指導などで生徒に接する際に初等の実習で得た経験(タスクを複数用意して手持無沙汰の生徒を出さないことや、書いたり繰り返し表現を変えたりして指示を明確に伝えること、間違いは正しても意見を否定しないことなど)をもとに話をしていますし、他の先生方もこまめに生徒の家庭に連絡を取って不登校予防に努めています。

他にも私の勤務する学校では、生徒間の学力格差の問題や、心身の様々な困難(軽度の障がいやメンタルヘルス)に関する問題がかなり大きいため、初等教育の免許取得のために学んだ児童生徒理解の方法や学習の理論、発達、教育心理学などが役に立っています。

高校生にもなればある程度難しい話をしても理解してくれますし、いきなり喧嘩を始めるようなことはありませんが、それでも授業中に教室の前と後ろで大声で会話することはままあります。そういうときにうまく「叱る」ことができるかどうかで授業の質も変わるでしょう。

私はいまだそれらが完璧にできているわけではありません。しかし「知っている」から「どうしたらいいのか」がわかります。

 

例えば今日こんなことがありました。

ある生徒が「席替えをしたい」と言い出し、席順をくじ引きで決定することにしたのですが、やっぱり浮ついた気持ちになりやすいので、席替えの後にちょっと雑談できるクールダウンの時間を取りました。それと、会話の苦手な生徒や学級内派閥の問題を考慮し、グループワークなどは自発的に起こるのを待ちました。その結果、なんとかいつも通りの(むしろ発言をよくするようになったので普段よりもよいかもしれない)授業を展開できました。視力の弱い生徒、教室の席配置なども考慮していったのもよかったのかもしれません。なんにせよ、最大公約数の幸福は実現されたのではないかと思っています。

こういう生徒の言うことを「何でも聞くわけじゃない、しかし意思は尊重する」先生であることを実現するために、初等の知識は活かせるのです。だから個人的には教職志望者は初等の知識も頭に入れた方がいいと思うのですが、負担などを考えると公的に実現は不可能そうなので、勉強会に参加したりボランティアなどで補うのがよいと考えます。私も小学校13年生の学習指導教室でフィールド研究をやりました。

これは私の場合でしかなく、主観的であり、個人の経験知(大学の授業や学会・研究会参加、授業参観、フィールドワーク、信頼のおける書籍で得た知識)の話なので、万人に当てはまるわけではないことは重々承知の上です。それでも私は初等教育中等教育が分断されていいとは思わないので、初等専攻のひとも中等専攻のひともお互いに情報共有しあいましょう、と提案したいのです。

そして最終的には、自分で実践しないと身につかないし意味がないのです。私の方法も、たまたま目の前の生徒の特質を私なりに解釈したのが当たっていたというだけで、毎回同じ結果になるはずがありません。それでも、私にとっては今日の席替えが「自分でやってみることに意味があるのだ」と強く感じるきっかけになりました。

 

この時助けてくれた他クラスの先生方のご意見も多く入っているので、完全に自分の手柄ではないことも付記しておきます。困ったら先輩を頼るのも大事です。私は何でも我流になってしまうので、そこは反省しないとなと考えています。

 

まとめます。

 

①初等科と中等科の分断は避けた方が良い、お互いのために

②お手本は身近なところにある、先輩や同僚、研究会や授業参観で知識を得たら実践

 

こうしてシェアした情報が新人の先生や、教職志望の学生さんに届くことを祈って。

それでは、また。