ゆったりまったり雑記帳

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不思議の国のアリスは乙女のロマンだ【note・ブログ共通記事】

早起きは三文の得ですが、正直この時間(PM3:00)は非常に眠たいです。

どうも星野です。今回は現在横浜のそごう美術館で開催されている「不思議の国のアリス展」に行ってきたというレポを書きます。

会期中無休、20時までやっている、駅から近いの三拍子揃ったお得な展覧会、是非足を運んでみてください。

公式サイトはこちら → http://www.alice2019-20.jp

なんと1500円でリアル脱出ゲームにも参加できます、私はめちゃくちゃ嬉しかったです!

冊子をもとに謎解きするスタイルで、ソロプレイも可能です。

謎監修はおなじみSCRAPなので解きごたえがあります。

 

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フォトスポット

 

不思議の国のアリス

日本人で知らない人は限りなく少ないのではないだろうか、と思われるほど人口に膾炙した作品ですね。

あらすじは、アリスという少女が白ウサギを追いかけていくうちに、不思議な夢の世界にトリップしてしまうというもの。

これは数学者であったルイス・キャロルが、クライストチャーチの学寮長の娘、アリスに語って聞かせた即興物語が元だと言われています。

英国の児童文学の象徴であり、ナンセンス文学の金字塔。

 

今回の展覧会は、そのアリスの物語がどのように現代まで伝わってきたか、という点にフォーカスが置かれています。

もともと英語で書かれたものが、いまや170超の言語に翻訳されており、現代の様々なコンテンツにモチーフとして使用されているのは単純にすごいことです。

翻訳の過程で失われたニュアンスもきっとあるでしょうが、視覚的にわかる書き方(ネズミのしっぽという詩は、本当にネズミの尻尾のような形に単語が並んでいるのです)もできたこともわかりました。

そのため英語のタイトルを読みながら進んでいくことをお勧めします。

 

そして、今回は「ビジュアル」に注目して論じていきたいと思います。

 

アリスの本が出版されるとき、挿絵の作者として白羽の矢が立ったのがテニエルという画家でした。

なんでもこの人、6Hの薄い鉛筆で細かい線を描きいれた挿絵を作成したがために、木版画から銅版画へとしたときに版の彫師に「勘弁してくれ」と泣き言を言わせたそうで。

確かにめちゃくちゃ細かいイラストでしたが、どちらかといえば写実と風刺の中間のようなスタイルでした。

それが様々な言語に翻訳された際、たとえば黒髪のアリスだったり、緑色の服を着たアリスだったりと、様々な容姿で描かれてきました。

私の愛するマリー・ローランサンも、あの独特のタッチでアリスを描いていました。真っ白な肌にピンクの服、黒髪のアリスでした。

しかし現在のイメージを決定的にしたのはおそらくディズニーでしょう。

アニメーションは文字の読めない子どもにも理解できますし、何より舞台は不思議の国。

花がしゃべったり、イモムシがたばこをふかしていたり、森の中でお茶会をしていたり……大人にもファンタジーの影響力は強かったことは想像に難くありません。

ディズニーのアリスは、水色のエプロンワンピースに縞模様の靴下、金髪というとてもキュートな容姿です。

そのファンシーなイメージが現代で言えばロリータ服や清川あさみらの作品に影響を与えているのではないかと考えられます。

 

アリスの世界はお菓子やお茶会、花や動物など、様々な「女の子が好みそうなもの」が(多分にバイアスがかかっていることは承知で言いますが)含まれていると思います。

そんななかでアリスは主体的に動き、感情豊かにふるまいます。年齢相応の、等身大の女の子です。

どこにでもいそうな普通の女の子がおとぎ話の主人公。

そうした設定にすることで、世界中の少女たちは「これは自分の物語だ」と思うのではないでしょうか。

私もきっと夢の世界ではこんな冒険をしているんだ、という、男の子のものとは異なるロマンを与えたのだろうと考えています。

 

そうした理由から、アリスの物語が世界的に有名になり、「少女性の象徴」のように扱われるようになったのではないかな、と。

少女性に敏感な日本の女性たち(これまた多分にバイアスがかかっていますが)にとっては、憧れの存在のようなものでしょう。

実際私も、神戸美術館で開催されていた時の公式アンバサダー・青木美沙子さんのアリスロリータに「かわいい! 着てみたい!」と感銘を受けたのですから、一定数はいると思います。

現代の作品でも女性向けコンテンツにはアリスのオマージュが多いなあという印象があります(イケメン役者養成ゲーム『A3!』の公演や『うたの☆プリンスさまっ♪』の楽曲など)

やはり乙女のロマンはアリスなのだなあ……としみじみ感じた展覧会でした。

ファンシーでゆめかわなアリスの世界に、これからも浸ろうと思います。

 

次回は何に行くかまだ決めていないのですが、読書記録なども残そうと思っているので続編をお待ちください。

それでは、また。