ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

雨の日はなんだか【note・ブログ共通記事】

今週のお題「傘」

 

梅雨入りしてじめじめ暑い日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は雨でもずんずん出かけてゆくタイプの人間なので、お構いなしに遊んでいます。どうも星野です。今日はお題消化。「雨の日」というテーマでエッセイを書こうと思います。雨、皆さんはどんな思いを抱いているのでしょうか。ろまんちっく大暴走の今回の記事では、たくさん「雨」にまつわるエピソードを書けたらいいなと思っています。noteにて、1日1本プロジェクト進行中。現在98日目です。我ながらここまでよく続けたな……。minneとFantiaはこちら。

https://minne.com/@hoshino-momo

https://fantia.jp/fanclubs/34269

今日新作を追加します。ハンドメイドも楽しいです。

「雨だれ たんたん 我をわらうよ」――太宰治

雨。朝、うねって言うことを聞かなくなる髪の毛を整えて、鈍い頭痛が襲ってくるのに耐えながら朝食を食べる。最近は頭痛に負けなくなってきましたが、それでも雨で動けない日も多少あります。体調不良、傘が邪魔、移動が面倒……そういう理由で、雨が嫌いな人も多いかと思いますが、私は雨が好きです。いろんな思い出の中に、「雨」があるからです。そして一日の始まりや終わりに、「今日は雨」と考えるのは、なんだか「まじめに生きている」感じがします。

私が生まれたのも梅雨の時期。愛するねこのぬいぐるみ・アランチャをおうちに迎えたのも梅雨明け間際。そして私が何かにつまずいて、病んだのも雨の降る時期でした。雨の中傘をさして歩きながら、泣き顔を隠すこともありました。雨にはそれなりにご縁があるようです。いいことも悪いことも、雨が包んでくれた気がします。
雨の中カフェに行って、雨音とジャズを聴きながら読書したり、泣ける映画を観たあと、夜に雨の匂いがすると胸が苦しくなったり。「天気や自然の様子が、登場人物の心情を表すことがある」……という国語の定番読解法も、あながち間違いとは言えないと思っています。下人は雨止みを羅生門の下で待っていましたが、あの雨が下人のSentimentarismに影響したのも無理はないでしょう。冒頭で引用したのは太宰の言葉ですが、悲しかったり切なかったり、雨には人間の流す涙のような作用がある気になってくるフレーズで、とても気に入っています。雨はひとを立ち止まらせ、何かを考えさせるちからがあるようにも感じますね。「晴耕雨読」という言葉も、人間がものを考える頭を養うために雨の日くらい読書しようよ、ということなのかもしれません。
雨水が跳ねて服の裾に掛かるのは嫌ですが、それでもレインシューズや傘を選ぶ楽しみはあるし、突然の雨にも何となく季節の変化を感じることだってあります。雨は恵みでもあり、災厄でもありますが、個人的には一切合切すべてを洗い流してくれる存在だと思っています。
今もこうして外の雨の様子を見ながら執筆していますが、昼夜逆転せず日中の天気を五感で感じながら作業をするのは、昼夜逆転しがちなモグラ娘にとっては「まじめに生きている」「まっとうな生活をしている」というように感じるのです。こうして雨を楽しむのは、いわゆる「ていねいな暮らし」なのかもしれませんが、個人的にはそんな高尚なものではなく、ただ日常を彩る色彩の中に、雨の薄いブルーがあるのかなと。

「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に」――小野小町

長雨で色あせるものもありますが、私の中では思い出が強化されていきます。雨が降っていて、品物を濡らしちゃわないかな、ちょっと面倒な客じゃないかなと思いながら、お気に入りのブティックに足を運んだら、店員さんに「お客さんが来てくれてうれしかった」と喜んでもらえたこと。彼とふたりでひとつの傘に入って、なんでもない話をしたこと。親友と雨の日の鎌倉の建長寺へ行って、そこでお庭の景色を眺めながら悩みを話したこと。雨の音、匂い、空気の流れが、ひととひとのつながりを強くしてくれました。ちゃんと生きている、まじめに生きている。ゆっくり、しっかり、たまには立ち止まって振り返りながら、いろんな思い出と気持ちを抱きながら、今日も生きている。そんなふうに、何気ない日常の中に感じる風流のようなものを、雨は思い出させてくれます。小野小町は千年前に、花が散って色あせてしまう儚さ、自分が老いる悲しみをうたいました。千年後の日本に生きる私は、雨の中で生きる喜びを感じています。まだ二十歳そこそこだからかもしれませんが、うれしいものでも悲しいものでも、思い出とはじぶんが前へ進むための原動力だから、雨を愛しながら、これからもたまにずるして、基本真面目に、日々をのんびり生きていくのだなと思っています。

思い出と雨が強く結びついている私にとって、雨はこれからも仲良くしていきたい存在なのです。あ、雨が止んだみたい。
じゃあ、このおはなしもおしまいにしましょう。それでは、また。