ゆったりまったり雑記帳

その名の通り、雑記帳です。

うつりゆくこそことばなれ【note・ブログ共通記事】

Zoomでビデオ通話ができない情報弱者が通りますよ。使い方はわかっているのだけれど。どうも星野です。勉強会の内容も後々noteにアップしましたのでお読みください。リンクはこちら。根岸さんには過分なお褒めの言葉を頂戴してしまいました。てへへ。ありがとうございます。

今日のテーマは「言語学あれこれ」。私が大学で専攻していた日本語の話をしたいと思います。

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パソコンの挙動がいよいよおかしいので買い替えたい。このオンボロで私は本当にオンライン授業ができるのか。謎です。

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移りゆく桜

 

突然ですが皆様、カタカナの「ヲ」ってどうやって書きますか? 「フ」に横棒を付けているとお考えの方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。実はこの字の機嫌は「乎」だと言われていて、正しくは横棒を二本書いてから左はらい、なのだそうです。最初にこの話を聞いてとても驚いたのですが、日本語の不思議さはこんなものではなかったことが後々わかります。

 

ところで、なぜ私が日本語(言語学)を専攻したかと言うと、単純に「資格がいっぱい取れるから」でした。小学校教諭一種、中学校教諭一種、高等学校教諭一種、司書教諭資格、そして日本語教師資格。これらすべてを大学の四年間で取りたかったというのが本音です。結果的に司書教諭は一年遅れて取得しましたが、これでフルコンプリートです。できれば専修免許も欲しいけれど、お金が無いのと出身大学の大学院が教職大学院だけになってしまって、研究活動ができないのがネックなため保留です。ちなみに、日本語教師は正確には免許を必要としない「資格による職」なので、かなり立場は危ういそうです。激務なのに。(実際に日本語学校に就職した友人もいます)日本語教師の仕事は非常勤の講師による薄給激務なので、なかなか食べていくのが難しいのです。

 

閑話休題。元に戻します。

 

他にもびっくりしたのは、「ひ、ふ、み……」という和語での数の数え方。実は並べてみると面白いことが分かるのです。

ひ  ふ  み  よ  いつ  む  なな  や  ここ  とお

これ、よく見てみると倍数のところ、つまり「ひ」と「ふ」、「み」と「む」、「よ」と「や」が同じ行の音になっているのです。江戸時代に新井白石が発見したそうで、日本語って深いなと思った話のひとつです。ちなみに「いち、に、さん……」の数え方だと、いちから数えた場合は七が「しち」と「なな」の二パターンあるのですが、十から数えると必ず「なな」になります。不思議ですよね。

 

こんなふうに「ことば」そのものの不思議に触れることができた大学での時間は、とても有意義でした。純粋に学問として興味があったので、知的好奇心を満たしてくれたのもありますが、それ以上に教えるときに役に立つ「ことばのルール」を学べたのでよかったなと思っています。私は初等の道も日本語教師の道も選びませんでしたが、大学での学びは確実に役立っています。「ことば」を学ぶことは、国の文化を学び、思考の根っこにあるものを学ぶ営みだと思っています。その意味で「日本語教育」を国語教育の中に取り入れることもいずれ求められるでしょう。

 

「うつりゆくこそことばなれ」。ら抜き言葉に代表される「ことばの乱れ」を、進化ととるか退化ととるか。教育上はことばの乱れを正していかなくては、どんどん言語は下流化していきます。アナウンサーや国語教師などの言語に関する職業に就いた者は、ことばに敏感になって、正しいものを使い、伝え、教える役割と義務があります。特に義務教育期間中の国語を教える場合は、教えていくうえでのスタンスを明確にする必要もあります。

しかし「ことば」の「本来」とはいつ・どこの時点でのことばなのかはっきりしない以上、権威ある存在が使うことばが正しい、みたいな考え方も時にスタンダードになるかもしれません。ことばにはグレーゾーンが存在します。重なり合いが大きいか小さいかだけの問題ということもままあります。

それでも、私は「正しいことばの知識」を教えたいと思っています。

社会に出て困らないように。日常生活を送るうえで支障が無いように。そして、豊かなことばの世界で常に学んでいけるように。

私はそんな思いで教壇に立っている、というお話でした。それでは、また。